カテゴリー「!オピニオン」の12件の記事

2008年12月29日 (月)

「優先席」廃止論

ちょっとオピニオンモードに入ってしまったさそりいのししですが、ずっと前から考えていたことです。

Photo優先席とは、言うまでもなく「お年寄りや身体が不自由な方にお譲りください」というやつです。

しかし、優先席にそのような人が座っていることはむしろ稀で、若者や、新聞・マンガを読んでいるサラリーマンや、携帯電話をいじっている人(←そこのおっさん、電源オフやで!)や、寝ている(寝たふりをしている)人がほとんどです。

そして、お年寄りが優先席の前に立っても、ほとんどの場合、彼らは席を譲りません。それを見るに見かねて、普通の席に座っている人が離れたところから声をかけて席を譲るようなことをしたことも、見たことがある方も多いでしょう。

お年寄りも、そのような優先席の形骸化を感じていて、席を譲ってもらえないで不愉快な思いをしたくないので、むしろ優先席の方には行かない、ということを聞いたことがあります。

この優先席の形骸化の最大の原因は、その「定義・表現の軟弱さ」だとさそりいのししは思います。

そもそも、お年寄りや身体が不自由な人に席を譲るのは、どんな席でも当たり前のことです。その当たり前のことを、一部の席に限定してしまったところに、そもそもの間違いがあります。

Photoではどうすればいいのか。

横浜市営地下鉄
(左の標識)のように、「すべての座席が優先席」という考えのもとに優先席を全面的になくすのも一つの勇気ある見識でしょう。

Maternity_heartplus_mark2でもそれだと、外見からは席を譲るべき人か見分けがつかない場合には問題が残ります。そこで、そのような人たちへの周囲の思いやりを促す、厚生労働省が推進する「マタニティマーク」や、「内部障害・内部疾患」を持つ人であることを示す「ハート・プラスマーク」というものがあるそうです。

ただ、私はこれらのマークをつけている人を見たことがありません。このようなものは、ある程度目立たなければ意味がない一方、つける方としてはそこまで自分の肉体的な状態を世の中に宣伝したくない、という根本的な問題があると思います。

ちなみに、阪急電鉄は全国で初めて全席優先席を1999年から行っていましたが、「趣旨が定着しなかった」ことを理由に2007年に優先席を復活させたそうです。

そこで、さそりいのししの提案は、「すべての座席は優先席」と再定義した上で、さらに「専用席」を設けて、

 「お年寄り・妊婦や身体が不自由な人以外は、座らないでください

という明確で強い表現の、特別なものにするのです。どんな状況であっても健常者は利用してはならない、身障者専用駐車スペースのようなものです。
ただし、その専用席は本当に特別なものなので、その数は今の優先席の半分以下に減らしてもいいと思います。
電車の一番前と後ろと真ん中の3カ所の、短い列の片側くらいでいいでしょう。

今の優先席が形骸化してしまったもう一つの理由は、いたずらにその数を増やしすぎたために、優先席が一般席化してしまったということがあると思います。道路の速度制限と同じで、現実的ではないルールは「みんな守ってないから、守らなくていいや」というモラルハザードを作ってしまいます。

どこかの鉄道会社で実験的に始めてくれませんかね?

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2008年12月28日 (日)

これぞ「お役所仕事」!(拝啓 総務省 関東総合通信局 殿)

Photo今回は「怒りの鉄拳punchシリーズ」です。

ちょっと前の話しなりますが、「総務省 関東総合通信局」から、あるお知らせが届いていました。

なんでも、バイクツーリング用に取得したアマチュア無線局の電波利用料が減額改定されたので、その差額200円wobblyを還付したいとのことで、請求書に振込先等を記入・捺印して、同封されていた返信用封筒で送り返せとのこと。

Tsukkomi_kamigatameoto06_2そもそもわずか500円だった料金を300円に下げたところで利用が促進されるとも思えないだろうおまえpunchそれならトランシーバーに毛が生えた程度のアマ4級ハンディ無線機を使うためにオームの法則を覚えさせるような免許制度を廃止した方が早いだろうbombだいたい小学生が携帯電話を使う時代に免許だの無線局だの時代遅れなんだよannoyというツッコミはさておき。

200円を還付するために、往復160円の郵便代プラス210円の銀行振込手数料=合計370円をかけるというのだ。当然、このお知らせを発送し、送金処理する事務費用も別途かかっている(このお知らせのハンコだって、印刷じゃなくて本物ですよ)。

お役所だから差額を返金しなければならないというのもわからないでもないですが、もうちょっと頭を使うことはできないものでしょうか。例えば:

one 最初から郵便切手などで送りつける
これは返信と振込の手間とコストが省けます。
two 次回の更新(300円)を、還付する200円にさらに100円割引して無料更新とする
100円おまけしても振込コストの半額なので、これが最もシンプルで効率的な方法です。何もしなければ自動的に無料更新となり、どうしても更新したくない、という人だけに返金すればいい。
民間企業ならば、200円を返金するために370円を使うなどという馬鹿なことはせずに、返金と同じことができて客離れも防げるこの方法を迷わず選ぶでしょう。
three 発生した差額を同意のもとに放棄してもらい、被災者・犯罪被害者・交通遺児の基金などに寄付をするとか、何かまとまった金額がなければできない有益な事業に当てる(もちろん、どうしても「200円返せ!」という輩には返金する)。
個人的には、これがベストだと思います。

一説によるとアマチュア無線の人口は100万人いるらしいです。そうなると還付総額は2億円で、先ほどの計算上それを100%還付したらさらに4億円弱の費用がかかり、総額6億円近くかかることになります。

そんな無駄なことをするよりは、もし選択肢を与えられるならば、200円を100万人にばらまくのではなく、2億円を弱者救済や社会基盤の整備に当てることを選ぶ人は多いのではないでしょうか。そんなお知らせが来たら、「総務省、あっぱれ!」「お役所も変わったな」と少なくとも私は拍手を送るでしょう。

でも、縦割り行政や杓子定規な予算管理に阻まれ、ちょっと考えればこんな当たり前なことができないのが、まさに「お役所仕事」の悲しいところでしょう。

それでも彼らは「返すべきお金を返した」ということで、「きちんと仕事をした」ということになるのでしょうね。これぞ、正に「お役所仕事」です。

【さそりいのししの「怒りの鉄拳」シリーズバックナンバー】
「悪質な免許取消者には二度と免許を与えるな!」(2008/9/15)
「あまりにもひどいウィルコムD4の電源問題の対応」(2008/8/30)
「タクシー禁煙万歳!次は飲食店を!」(2008/1/9)
「タクシー業界に物申す!」(2007/5/15)
「詰め替え式カップヌードル??」(2007/4/21)
「飢餓感を煽るマーケティング」(2007/1/29)
「飲酒運転問題に思う・・・日本は法治国家?」(2006/9/14)

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2008年9月15日 (月)

悪質な免許取消者には二度と免許を与えるな!

今朝、金沢市で16歳の少年が無免許で運転するオートバイが転倒し、後部座席に同乗していた16歳の少女が投げ出され、後続のタンクローリーに轢かれて即死するという痛ましい事故がありました。この事故は、ノーヘルで走行しているところを白バイにみつかり、その追跡を振り切って逃走中に起きたものでした。

無免許とは言え、このようなバイクとバイク乗りのイメージを悪化させる大馬鹿者が出てくると、怒りが込み上げてきます。これはもうほとんど殺人に等しい行為ですが、仮に危険運転致死傷罪が適用されたとしても最高で20年以下の懲役ですが、少年だし、これまた被害者とも言えるタンクローリーにも前方不注意などの過失が認められる可能性もあるので、おそらく大きく減刑されるでしょうし、下手したら執行猶予すら付くかもしれません。このような危険人物が数年で再び社会に復帰し、免許を取得して公道を走ることができると考えるとぞっとします。

運転するということは、すべての国民に与えられた「権利」ではなく、一定の能力と適性を持つ人に認められる「資格」です。飲酒運転や暴走、ひき逃げなどを行う反社会的な輩は、交通社会の中でそもそも人格的に運転する適性がないと思います。

ここで矛盾しているのは、免許取り消しになるような運転をする人間は、その運転技能ではなく精神性が問題であるにも関わらず、再び技能試験に合格すればまた免許を取得できることができる、ということです。
「自分さえよければ他人の命を危険にさらしてもいい」という思考回路と行動特性は、数年の欠格期間を置いて、講習を受けたら直るというようなものではないでしょう。

運転などできなくても十分に勤労も生活もできる日本で、再び社会に対して危険行為を行う可能性の高いハイリスクな人間に、運転する再チャンスを与える必要がどこにあるのでしょうか。「気違いに刃物」を与えるのと同じです。

悪質な違反行為を犯して弁護士免許や医師免許を剥奪されたら二度と取得できないのと同様に、最初から無免許で運転した者や、飲酒運転、暴走行為、ひき逃げなどの悪質な危険運転で人を死傷させた人間には一生免許を与えず、仮に無免許で運転したら即刻懲役刑に処するというような厳罰が必要だと思います。

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2008年8月30日 (土)

あまりにもひどいウィルコムD4の電源問題の対応

久しぶりの投稿は、残念ながら「怒りの鉄拳」punchシリーズです。
私は、今後一生、ウィルコムとシャープの製品は買わないことをここに宣言します。

Willcom_d41と言うのは、7月中旬に、シャープが製造し、ウィルコムが販売するD4というウルトラモバイルPCを購入しました。Windows Vistaが走り、PHS(204kbps)、ワイヤレスLAN、Bluetoothの通信機能とワンセグを搭載し、標準バッテリーで475グラムという小型軽量さに惹かれたのです。

さそりいのししの会社はITセキュリティが厳しくて、特殊なソフトをインストールしたWindows PCでしか会社のメールにアクセスできないため、携帯電話やPDAでは使えないのです。毎日200件前後のメールの数があるので、外出先でもこまめにチェックしていないとえらいことになるのです。でも会社の2キロ近くもあるノートPCを常に持ち歩くのはつらい、というのがD4を購入した理由です。

さて本題ですが、このD4には、「電源を完全に切っても電池が著しく消耗する」wobblysign02という、モバイル端末としてはありえない欠陥があったのです。いいえ、スタンバイ状態ではなく、通信機能もオフにした完全シャットダウン状態での話しです。どれだけ消耗されるかと言うと、例えば朝フル充電状態で持ち出して、午後に起動すると、バッテリー残量が2割程度(つまり10分程度しか使えない)に減り、丸一日置いたら起動すらしないという、モバイル端末として「使い物にならない」ngレベルです。一日駐車したら満タンが空になる車のようなものです。

これはいくらなんでもおかしいだろうとウィルコムに問い合わせてもどうやらそういうものらしく、「(だから)長時間バッテリー無料キャンペーン」をやっていますなどとまともに答えようとしない。仕方なく、大嫌いな某巨大掲示板を覗いてみると、同じ問題で怒り狂ったユーザーで炎上annoyしています。

これだけ問題にしている人が多いならさすがになんとかするだろうと思ったら、突然、発売開始から6週間目にあたる8月22日に「電源オフ状態での省電力機能を強化する対応(無償)実施について」という告知がウィルコムシャープのサイトに掲載されました。

明らかにリコールとすべき内容にもかかわらず、「改善」でもなく、「強化」などという表現を使っているのは、非を認めたくないという姑息な手段で、かえって消費者の怒りangryを逆撫でするものです。しかも、この改修をするには、ウィルコムショップに本体を持ち込み、10日から14日間、代替機もなしで待てというひどい対応。実際、ショップに持ち込むと、「今申し込みが殺到しているので、14日以上かかることをご了承ください」とのこと。窓口の人を怒っても仕方ないし可哀想なので、むしろ「ショップも大変でしょう」と同情的な姿勢を示すと、色々と話してくれました。どうやら、シャープの工場に戻して改修するらしく、ファームウェアのアップデートでは済まない、物理的な部品や回路の変更が必要な加工のようです。

私が問題にしたいのは以下の2点です:

1)今回の問題は通常の利用方法で全台数で必ず発生するものなので、出荷前のテストでウィルコムとシャープが把握していなかったとは思えません(把握していなかったとしたらもっと大きな問題ですが)。偶発的な「初期ロットの不良」ではなく、明らかに当初の機能上の欠陥があるということを把握していながら、何故発売に踏み切ったのか。このまま何もしないで済むと思ったのか、それとも初期購入者に多大な迷惑をかけても後で改修すれば済むと思っていたのか。いずれにしても消費者を馬鹿にしています。

2)ウィルコムは、D4の購入者に対して、未だにこの改修のお詫びどころか「連絡」もしていません。ホームページでの「告知」はしていますが、それはたまたま見なければわかりません。私がこのことを知ったのも、掲示板をたまたま見ていたからです。その間、ウィルコムは脳天気にその他のプロモーションのメールを送りつけているにも関わらず、です。おそらく、購入者に直接連絡をしたら、改修の申し込みがさらに殺到することを恐れているのでしょう。

D4のような製品に12.8万円も出して買う人は、普通の携帯電話のユーザーでも、普通のPCのユーザーでもありません。モバイルデバイスを良く知り尽くした、厳しい眼を持ったモバイルコンピューティングのヘビーユーザーです。いわゆるアーリーアドプターというやつで、いつも新しいものを一足先に試し、それを見せびらかしたり説明・評価したりして周囲の一般消費者に大きな影響力を持つような人です。そんなユーザーが、あの電源仕様で満足するとでも思っていたのでしょうか。そうだとしたら、その見識を疑います。

私は以前、某メーカーで携帯電話の商品企画をしていたので、通信キャリアに対して「発売日を守る」ということがいかに厳しいものであるかを知っています。発売直前にバグや問題が発覚した時に、メーカーとしては発売日を延ばしたくても、キャリアをそれが許してくれないこともあります。結果的には問題の大きさ、起きる頻度や対象ユーザーの数などを総合的に判断するわけですが、今回のD4に関して言えば、あの状態で発売に踏み切るというウィルコムとシャープの判断は明らかに間違っていたと思います。

企業も人も時には過ちを犯します。しかし、問題を起こしたこと自体よりも、その対応の仕方で、その真の「人格」が現れると私はいつも思っています。問題を否定したり、矮小化したり、責任転嫁するのではなく、過ちを素直に認め、誠意を持って迅速に対応すれば、逆に信頼を上げることだってできるのですが、どうして多くの日本の企業や政治家は、これができないのでしょうか。

普通だったら個別の製品で苦い経験をしても、それで即そのメーカーの商品を買わない、という発想にはならないのですが、今回の件では、ウィルコムとシャープは私の中で一瞬にしてその企業人格に対する信頼を失いました。だから、仮に今後どのような魅力的な製品やサービスを出したとしても、私はあえて違う会社のものを選ぶことにします。

国民生活センターには、「消費者トラブルメール箱」というものがありますので、このような企業を正すのに活用しましょう。

【さそりいのししの「怒りの鉄拳」シリーズバックナンバー】
「タクシー禁煙万歳!次は飲食店を!」(2008/1/9)
「タクシー業界に物申す!」(2007/5/15)
「詰め替え式カップヌードル??」(2007/4/21)
「飢餓感を煽るマーケティング」(2007/1/29)
「飲酒運転問題に思う・・・日本は法治国家?」(2006/9/14)

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2008年1月 9日 (水)

タクシー禁煙化万歳!次は飲食店を!

愛煙家の方ごめんなさい!でもこれはさそりいのしし節で言わせてください。

今週から東京都内のほとんどのタクシーが禁煙化されました。
さそりいのししは煙草は吸わないし吸ったこともないし、タクシーに乗り込んで煙草の臭いがきつくて吐き気がすることも多かったので、この動きは大歓迎。
そもそも日本は先進国の中では公共の場所での禁煙化は最も遅れています。

次に期待するのは、飲食店の全面禁煙です。
禁煙・嫌煙の話しなると必ず「受動喫煙による健康被害」ということが出てきますが、私はそんなアカデミックなことはどうでもいいのです。実験用のラットじゃあるまいし、公共の場での煙草の煙くらいで肺ガンになるほどやわじゃない。
ただ、自分が料理を楽しむ正当な権利を奪わないで欲しいと思うだけです。

風邪をひいて鼻がつまっていると味がわからなくなるように、我々が「味」と認識しているものは舌からの感覚だけでなく、嗅覚に依存する部分が多く、嗅覚が伴って始めて完成するものです。
特に、香りを楽しむうなぎやワインの店や、逆に香りが薄いので臭いで味が大きく影響を受けてしまう寿司店などで煙草の煙が漂ってくると、味も気分も台無しになります。

そんな状況を我慢していてもせっかくの食事を楽しめないので、そうなるとたいてい早々に店を出てしまいます。
こう見えても(?)平和主義者なので注意してお互いに気分を害するのも嫌だし、そんなことで逆ギレされて刺されてもかなわないし。
しかし、本来、退店すべき人は逆で、こうなると一種の暴力とも言えます。
どうして、自分の禁断症状や嗜好を満足させるために、他の客の味をスポイルすることが許されるのでしょうか。

私は、飲食店での喫煙に関して、よくこのたとえを使います:
「クラシックのコンサートの最中に、隣の客がヘッドホンステレオの音をシャカシャカ鳴らしていたらどう思う?飲食店で喫煙するということは、それと全く同じ。」

ただ、さそりいのししも大人ですから、例えば居酒屋の宴会で煙草を吸う人がいてもいちいち目くじらを立てるわけではありません。それは、ロックコンサートだったら、隣でヘッドホンステレオを鳴らしている奴がいても気にならないことと同じです。

最後に、嫌煙家のみなさんに、禁煙レストランを紹介している「禁煙スタイル」というサイトをご紹介します。

また、ZAGATレストランガイドでも、巻末の「禁煙席あり」という分類で検索できます。 さそりいのししの友人には自分と同様に大嫌煙家が多いので、これの「全席禁煙」の店をリストアップして活用しています。

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2007年6月 1日 (金)

「救急搬送トリアージ」開始

本日から、東京消防庁では「救急搬送トリアージ」の試行運用が開始されます。
「トリアージ」とは本来、大規模災害などがあった場合、傷病者を緊急性の高さで選別し、優先順位を決めて手当てをするシステムのこと。

Pictriage今回の「救急搬送トリアージ」とは、
救急車の出動要請があれば、これまで通り現場には向かうが、その場で緊急性が低いと判断された場合は、自己通院をお願いする、というもの。

その判別をするための「トリアージシート」がこれ。太線内の条件にすべて該当する場合は、自己通院をお願いすることになります。

こんなことが必要になった背景には、こんなデータがあります:
救急車が出動してから現場に到着するまでの平均時間:
2000年:5分30秒
2005年:6分30秒
つまり、過去5年間で1分も遅くなっているのです。

そして、その原因の一つが、緊急性の低い出動だと言う。
これは救急車を呼んだ理由の世論調査の結果:
「夜間・休日で診察時間外だった」19.3%
「どこの病院に行けばよいかわからなかった」7.3%
「救急車で病院に行った方が優先的に診てくれると思った」5.2%
「交通手段がなかった」2.8%

特に、この最後の二つは論外でしょう。あわせて8%という数字は低く感じるかもしれませんが、年間出動回数70万回の8%ということは、年間5万6千人もの不届き者が東京都だけでいることになります。心配なのは、このトリアージシステムでも、自己通院に関して本人の同意が得られない場合は、やはり搬送しなければならないということ。

このような不届き者は、何を言われても開き直って救急車で運べと要求するような気がします。だったら、トリアージの結果に従わない場合は、有料にすればいい。欧米では救急車は有料な国も多く、そもそも日本で救急車が「タクシー代わり」に濫用されているのは、「無料」というところに大きな原因があるのではないかと思います。

Pos_soudan_lもう一つ、この救急搬送トリアージとあわせて、今日から「救急相談センター」が開設されました。これは、本当に救急車を呼ぶ必要があるのかわからない場合や、どの病院に行けばよいかわからない人のための相談窓口。「#7119」で24時間受け付けてくれます。

従来のお役所の発想だったら、「救急車を増やせ」「救急隊員を増やせ」と金をかけることしか考えないところですが、そうではなくて利用者の意識向上を促し、「本来あるべき姿」に近づけようという東京消防庁の姿勢には拍手を送ります。

本当に救急車が必要な人たちが手当てを受けられるように、この新たな試みが成功することを祈りたい。

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2007年5月15日 (火)

タクシー業界に物申す!

東京のタクシー料金が初乗り800円前後に値上げになる可能性が高いらしい。
燃料費の高騰と、運転手の労働条件の改善がその理由だと言う。
なんでも、タクシー運転手の平均年収は一般的なサラリーマンよりも4割低い300万円程度らしい。
しかし、悪いけれどそれを聞いても同情する気にはなれない。

なぜならば、「日本で最も顧客満足度の低いサービス業」は、タクシーだと思うからです(行政は省く)。「顧客満足度が低い」=「不愉快な思いをする頻度が高い」と言い換えてもいい。

仕事柄タクシーを利用することは多いですが、タクシーへの不満は:
one 接客態度が悪い(挨拶や返事やお礼を言わない、等々)
two 運転が下手(ぎくしゃくしたアクセルワークとカックンブレーキ)
three 配車システムがあてにならない
の三つに大別でき、その不満を感じる頻度は極めて高い(これらの具体例に関しては、誰が書いてもほとんど同じ内容になるので、ここではあえて触れません)。もちろん、いいタクシーも中にはありますが、残念ながら少数派です。

コンビニでも、380円の牛丼屋でも、タクシーほどの高い頻度で不愉快な思いを客にさせる商売があったら、問題の店員はクビになるか、店が潰れるでしょう。料金や給料が安いことが、サービス品質が低いことの口実として許されるはずはない。
店の場合は動かないから、ダメな店には二度と行かなければいいけれど、タクシーの場合はタクシー会社では一概に「良い」か「悪い」の判断はつかないし、乗るまではそれが悪いタクシーかどうかわからないのでタチが悪い。

ここで一つ、自分が声を大にして、「タクシー運転手のプロ意識の欠如の象徴」である、「あること」を全タクシー会社に撲滅して欲しい。それは:

「どの道で行きますか?」 gawk

と聞くのをやめてもらいたい。

この文句を聞くたびに、腹の中では「そんなもん知るかっ。プロはお前だろっ。punch」と言いたいのをこらえて、憮然とした表情で皮肉交じりに、「プロにお任せします」と冷たく言うことにしています。

確かに、世の中にはどの道順で行くかはっきりとわかっている乗客がいて、違う道を使うと怒る人もいるでしょう。
でもそれだったら、「ご指定の道があったら言ってください」という言い方だったら、返事も不要なのでまだマシです。

この質問は、プロとして本来運転手が判断すべきことを放棄して、100%乗客に委ねている。そして、客の指示通りの道で、渋滞や遠回りになっても運転手の責任ではないですよ、と責任逃れの予防線を張っているように感じる。

タクシーに乗る時というのは、道がわからないから乗ることも多いのです。
「どの道で行くか」なんか知らないし考えたくもないから金を払ってプロに託すのです。
道順を乗客に聞くなどという行為は、目的地まで最も迅速に送り届けるというプロ意識を完全に放棄しています。

プロだったら、日にちや曜日や時間や周辺の工事やイベントなどの交通状況を総合的に判断して、最も効率的に目的地まで行く道順を判断できるべきです。
タクシー料金の中には、そのように「プロとして道に精通している」ということが含まれているということをタクシー会社や運転手が認識していないから、こんな馬鹿な質問を平気ですることができるのだと思います。

接客態度や運転技術がなっていない上に、このようなプロ意識もない運転手とそれを容認するタクシー会社が多い中で、料金値上げしても利用者の納得は得られないでしょう。料金を値上げするならば、まずサービス業の基本に立ち返って、業界全体としての品質を底上げすることに取り組んでほしい

ここまでタクシーをボロクソに書いてきたけれど、いい運転手さんに会った時は、降りる時に、「どうもありがとうございます。お気をつけて」と言って降りるようにしています。

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2007年4月21日 (土)

詰め替え式カップヌードル??

Imgp2363久しぶりに、
「いくらなんでも、これは売れないだろう」
「あまりに悪商品なので、問題提議のために買ってしまう」
という商品に出会ってしまいました。それは:

「環境にやさしいカップヌードルの新しいカタチ・カップヌードルリフィル

いわく:
・コンパクトだから省資源
・コンパクトだから省スペース
・ゴミはまるめてコンパクト

最初にこの商品を見たのは発売直後の3月下旬。コンビニで、この詰め替え用リフィルだけを単独で売っていました。つまり、普通のカップヌードルをまず買い、それを食べたら容器を洗って保存しておいて、このリフィルを使えということになります。ちなみに、このコンビニでは普通のカップ入りカップヌードル(?)が150円のところ、詰め替え用は128円。

あまりにヒドイ商品だと思ったので、ブログに書くためだけに買ってしまって売上に貢献する、という極めて矛盾した行動を取ってしまいました。

で、なぜヒドイかというと:

1)「エコ」をうたっているけど、全然環境にやさしくない!
まず、リフィルのパッケージも「燃えないゴミ」!
大体、世の中にある「詰め替え」は、シャンプーや洗剤など、「一回詰め替えれば何回も使えたり、詰め替え用の方が量が多いモノ」。1回使うたびに詰め替えるってことは、その度にゴミが出るわけで、要はカップヌードルの発砲スチロールの容器と、このリフィルの容器のパッケージのゴミの量のわずかな差しか「エコ効果」はない。
要するに、「詰め替え」をうたっているけれど、実際には「使い捨て」とほとんど変わらない!
せめて、パッケージに生分解性プラスチックを使うとか、リフィルを何個かまとめて入れるくらいのことをしないと意味はないでしょう。

よく考えると、この商品は逆に環境的デメリットだってある。容器を洗うということは水資源も洗剤も使うわけです。上水道だけでなく下水道も使う。お湯や食器洗い機を使えば電気やガスだって使う。

例えば、以前カリフォルニアが深刻な水不足だった頃、レストランに入るとよくこのようなことが書いてありました:
「当店では、リクエストがない限り、お水は出しません。それはコップ一個を洗うのに、その数十倍の量の水を消費するからです。」

どうせ一回食べる度にゴミを出すのだったら、容器を洗うために無駄な上下水道を使わない分、むしろ普通のカップヌードルの方が環境にやさしいとさえ言える。
そこまで考えないと、一人前の大企業が「環境にやさしい」なんて軽々しく言って欲しくない。

環境問題には人一倍関心のあるさそりいのししだからこそ、このような「エセエコ商品」を出して、「環境にやさしいことをやっています」と消費者を馬鹿にして能天気に訴える企業姿勢には怒りを感じてしまいます。

2)容器の問題
このリフィルを使うためだけに、使用済みのカップヌードルの容器を洗って、まるで食器のように後生大事に保存しておかなければならない。カップヌードルの発泡スチロールの容器って、そんなに何回も洗って使えるほど丈夫ではないし、そんなものを取っておくのはじゃまくさいし貧乏くさい!

3)手間の割には安くないっ(たった22円のお得)!
それより、カップラーメンって、そもそも食器を用意したり洗ったりなどの「手間をかけない」で食べられるところに意味があるんじゃ?

・・・とツッコミどころ満載。
そうしたら案の定、1週間もしないうちに棚から姿を消して、2週間ほど見かけなかったので、「ふっ、やっぱり評判が悪くて販売中止になったな」と思ったら、4月中旬に同じコンビニで今度は売場面積を拡大して、こんなのものと一緒に復活!

Imgp2330Imgp2338

「カップヌードル リフィル スターターパック」
しっかりとしたプラスチック製の、保温性もよさそうな二重構造のカップヌードルの容器に、リフィルが2個セットで599円也。つまり逆算すると容器の値段は343円。
これで、上記で指摘した三つの問題のうち、容器の耐久性の問題は解決するけれど:

「カップヌードルって、家庭に専用容器を置くほどのもの?」
「何様のつもり?」

と新たにツッコミどころが増えてしまいました。
1月に出された日清食品のプレスリリースを見たら、このスターターセットも同時に発売される予定だったらしい。でも、実際には専用カップの生産が遅れてリフィルだけで先行発売されたけれど、それではやっぱりマズイだろうということになって一旦陳列を引き上げ、スターターセットで再度発売開始されたとさそりいのししは想像。

しかし、このスターターセットも、すぐ発売中止になって、後世に語られるワースト商品の一つとしてコレクターズアイテムになると期待して、また買ってしまいました。

結論としては、こんな商品を買うくらいだったら、袋麺のラーメンを食べた方がよっぽどマシ、ということ。

今まで日清食品に対してはプラスのイメージもマイナスのイメージもなかったけれど、企業の意図とは反対に、これで自分の中では、「なんて浅墓な会社なんだ」という悪いイメージが植えつけられてしまいました。

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2007年1月29日 (月)

「飢餓感を煽るマーケティング」

最近は何でも手に入る世の中になったせいか、「飢餓感を煽るマーケティング」が横行しているような気がします。「行列ができる店」とか「入手困難」となると、その評判を鵜呑みにして何も考えずに並んで買おうとする、自分の価値基準のない思考停止型の人種が多いからです。

先日、街でこんな光景に遭遇しました。カップルの女性が長い行列をみつけると、男性に向かって曰く:

「あなたここでとりあえず並んでて。私、前に行って何を売ってるか見てくるから
・・・絶句してしまいました。

例えば:
・100メートルの行列ができるデパ地下の店
・1時間の行列ができるラーメン屋やドーナッツ屋
・半年先まで予約の取れないレストラン
・地元では2千円以下で買えるものが、東京に来たとたんに1万円になり、それでも入手困難な焼酎や日本酒。

そして並んでいる人や入手できない状況を見て、「そんなに人気があるならいいに違いない」と思って「行列が行列を呼ぶ」。そして高度に発達したマスコミやネット情報がそれにさらに拍車をかける。

上記のものは、本当に需要に供給が追いつかないのかもしれません。しかし、その「需要」もそもそもマスコミのハイプ(煽動)によって過剰に拡大されたもの
そして最近では、これを一歩進めて、意図的に供給量を抑えることによって売り切れ状態を作り出し、「飢餓感」を出そうという手法が現れ始めています。

ご存知のように、現在Nintendo WiiやDS Lite、PlayStation3は店頭では常に「売り切れ」「次回入荷未定」。新発売時の数週間後で本当に生産が追いつかないならいざしらず、DS Liteのように発売後半年以上たっているものが、消費財でもあるまいし需要に生産が追いつかないなんてことがあろうはずがない。あるとしたら生産計画の担当者は即刻クビにするべきでしょう。

実は、先日ゲーム機を販売している小売業の会社の社長さんと話していたら、ゲーム機の意図的な供給制限は、もはや業界の常識というか常套手段になっていて、最大の目的は値崩れ防止ですが、普通に店頭で買えたりしたらそのゲームプラットフォーム自体に「人気がない」と思われてしまうこともメーカーは恐れているらしい。

だから、同じ100台を売るのでも、毎日少しづつ売って100台を売るのではなく、普段は「枯らして」おいて、1~2週間に一度、入荷した数時間で一気に同じ台数を売りさばく、という手法を取るわけです。

Megamac_large_2_1
そして、ついにマクドナルドまで。「メガマック」というやつです。先週何気に入ったマクドナルドで、これを頼もうとしたら「一日20個限定」で、「本日分は完売しました」。

目を疑いました。だってメガマックって、ビッグマックに肉を2枚追加しただけのようなもんでしょ?

さらに、このような「お詫びのお知らせ」が:

お客様各位
メガマック 数量限定販売のお知らせ

日ごろのご愛願に深く感謝申し上げます。
メガマックは、大変なご好評をいただき、予想を大きく上回る販売状況となりました。
お客様にはご迷惑をおかけいたしますが、一日毎に、数量限定での販売とさせていただきます。
深くお詫び申し上げます。

早急に、皆様に商品をお届けできるよう体制を整えるべくまい進してまいりますので、なにとぞご理解を賜りますようお願い申し上げます。
日本マクドナルド株式会社

これは「お詫び」じゃなくて、「こんなに売れてるんですよ」という「宣伝」だと思った方がいいでしょう。こういうお詫びを出すこと自体が、マーケティングなんです。

さそりいのししはあまのじゃくで判官びいきだし、行列に並ぶのは大嫌いだから、大流行や人が殺到するようなものには惹かれるどころか、本能的に避ける習性があります。

しかし、最近では「行列の長さ」や「売り切れ状態」がものの価値を図る重要な尺度だという、おかしな世の中になってきています。 そのような尺度で購買行動をする人たちは、「自分の尺度」がないから、「他人の尺度」を信用するしかないいのでしょう。

でも供給者側も、あまり見え透いた底の浅いことを続けていると、そのうち消費者から見破られてそっぽを向かれるのではないかと思います。

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2006年10月 2日 (月)

『不都合な真実』日本公式サイトオープン!

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9月21日の記事に書いた、アメリカ元副大統領Al Gore氏によるドキュメンタリー映画、"An Inconvenient Truth"=『不都合な真実』の日本語の公式サイトがオープンしました。10月21日から開催される、東京国際映画祭の特別招待作品ということなので、今月末からは日本でも大きな話題になることと思います。
ただし、残念ながら一般公開は「2007年新春」ということです。
とりあえずこの公式サイトの予告編だけでも、是非ご覧ください。

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2006年9月21日 (木)

『不都合な真実』

海外出張のため約1週間ぶりの新規投稿です。
やっと仕事が終わってあとは日本に帰るだけなので、出張先のアメリカでこれを書いています。
今回は、成田第一ターミナルの南ウイングがやっと新装オープンして、TSUTAYAやユニクロまで出来ていてびっくりした、なんて軽い出張ネタを書こうと思っていたら、そんなことを完全に吹き飛ばすような衝撃的な映画を行きの機内で見たので、マジねたが続きますが、バイクとも無関係ではないのでこれについて書かせていただきます。

Aninconvenienttruth1映画のタイトルは"An Inconvenient Truth"、訳すと『不都合な真実』。
これは、クリントン政権時代の副大統領Al Gore氏による、地球温暖化への警告のドキュメンタリー。
Al Goreと言えば、かつては「情報スーパーハイウェイ構想」(今のブロードバンド)を提唱し、科学的先見性を政策に反映することに熱心な人です。

地球温暖化とは、簡単に言ってしまえば地球人口の増加と、それに伴う経済活動によって大気中の二酸化炭素が増加し、本来地球外に反射されるべき太陽エネルギーが閉じ込められ、地球全体の温度が上昇すること。
地球が温暖化すると何が問題かと言うと、過去何万年も凍っていた北極・南極の氷が溶け出し、それによって海面の水位が上昇し、海流が変化し、地球上の気象に根本的な変化をもたらし、生態系までも変えてしまいます。

地球が温暖化している事実に関して異論を唱える学者はいません。議論があるのは、それによって、「いつ頃、どんなことが起きるか」という点です。
Gore氏によると、このまま人類が二酸化炭素の上昇を抑えないと、約10年後には不可逆的な変化が起き始め、約50年後には地球上はほとんど生活が困難な状況になってしまう、という。最もわかりやすい現象としては、南極とグリーンランドの氷がこのまま溶け続けると、世界中の海面が5~7メートル上昇し、海に面した世界中のほとんどの主要都市は水没してしまいます。

「都合の悪い真実」とは、政治家がこれを認めてしまうと、今すぐに産業に対して劇的な措置を設けないと、手遅れになってしまうということです。しかも、地球に対して最も多く二酸化炭素を排出している国はアメリカなので、アメリカが最も大きく変わらなければならない、ということを唱えています。

この映画は、Gore氏がこの説を全米各都市のみならず世界中を講演して回ったものをまとめたものです。世界中の研究者が過去何十年もかけて取り続けたデータや写真で、地球の何万年の歴史を、わずか過去100年足らずで人類がその手でいかに劇的に変えてしまったがよくわかり、非常に説得力と危機感があります。

アメリカという国は自己中心的に動くことが多いですが、こういう映画が作られ、それが全米で大ヒットをしているところを見るとまだ健全なバランス感覚を失っていないと感心します。
これはいわゆる「いい映画」ではありません。「重要な映画」です。
日本でも年明けに公開されるらしいので、その際は、是非多くの人に観てほしいと思います。

この映画を観てから飛行機を下りて現実を見ると、空港では最近のテロ対策で一切の液体を機内に持ち込めないという規制がまた目に入ってきました。テロよりもはるかに大規模な脅威がそこまで来ているのに、エネルギーを使うベクトルが間違っていると恐ろしく滑稽に感じました。

最後に、バイクとのからみで言うと、バイクはクルマに比べれば文字通り「排気量」が少なく、渋滞による更なるCO2の排出を引き起こさないとは言うものの、全く地球にインパクトを与えていない訳ではないということも自覚して乗らなければならないと思います。

【最新情報】
日本公式サイトがオープンしました(2006/10/2)

この本(英文)をAmazon.co.jpで購入する

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2006年9月14日 (木)

飲酒運転問題に思う・・・日本は法治国家?

今日はちょっと堅い話しを。
最近、連日マスコミで飲酒運転の問題が取り上げられています。
飲酒運転や轢き逃げに対する罰則強化に異論を唱える人は少ないでしょう。

しかし、この議論で、ふと約25年前の大学時代の教授のある言葉を思い出しました。

「日本は、法治国家ではないから素晴らしい」

これは、オーストラリア育ちのイギリス人で日本人論の権威のグレゴリー・クラーク氏のお言葉。逆説的過ぎてすぐ意味がわからないかと思います。
その時の生徒も、自分を含めて皆ポカーンとしていましたが、その論旨は、このようなことだったと記憶しています:

日本は、伝統的には同じ価値観を共有する単一民族国家で、基本的に性善説で、法律や契約などでがんじがらめに人の行動を規定しないでも、それなりに人々の「和の精神」や「恥の文化」などの自己規律でうまくやってこられた

逆に、アメリカは価値観が多様な多民族国家で、性悪説だから何でも法律や契約で決めないと機能しない。
だから、アメリカは「法で治めなければならない」からだめで、日本は「法で治める」のでなく、「人が治める」から素晴らしい、と。

この話しは多分に歴史的な見解を含んでいるので、25年前の日本が完全にこうだったと言い切れるかは若干の疑問はあると思いますが、約25年たった今、日本人の美徳だった、「和」や「恥」などの自己規律はどこかへ行ってしまって、もはやこの議論は残念ながら全く通用しなくなったと言えるでしょう。

最近では、飲酒運転問題にしろ、いじめ問題にしろ、食品偽装にしろ、何か社会問題が起きると、すぐ「法整備を!」という発想を誰も疑問に思わない。もはや人々の自己規律に頼ることができなくなってしまった社会では、法律によるコントロールが必要なことは自分も否定はしません。
しかし、人々の反社会的行動を抑制するのが法律や罰則だけという社会は、文明のレベルとしては確実に衰退しています

「悪いことは悪いからやってはいけない」という教育や規範がまず先にあるべきであって、生命の大切さなどは忘れられて、「罰則があるからやってはいけない」という認識の方が支配的になってしまっては「犯罪を起こす心」までは減らすことはできず、どんどん新しい法規制を作り、処罰を厳しくしていく道しか残されていないことになります。

実際、「どうして人を殺してはいけないの?」と小学生に聞かれて答えに窮した教師が、「刑務所に入れられるからだよ。刑務所に入ったらお友達やお母さんと会えなくなるでしょ。」と答えたという話しを聞いたことがあります。教育の現場がこれでは絶望的です。ちょっと悪知恵のはたらく子供だったら、「だったら刑務所に入らないように人を殺せばいいんだな」と思うでしょう。

最近、ほとんど罪の意識もなく残虐な犯罪を平気で行う少年が増えているのも、結局誰からもしっかりと人間としての規範を教えられていないからではないだしょうか。飲酒運転も同じです。

「法治国家である必要のない日本」を取り戻すのは不可能でしょうが、生命の大切さを再認識し、少しでも人々のモラルや自己規律を取り戻すことは不可能ではないと思います。
それは、法律のようなトップダウンではなく、まず自分自身や家庭や学校や地域や職場などの小さい単位での草の根のボトムアップから意識改革を始めるしかないと思います。


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