カテゴリー「★英語」の3件の記事

2015年7月 7日 (火)

「テンションが上がる」は英語では通じない

最近、「テンションが上がる」という表現をよく耳にします。「元気が出る」とか「気分が高揚する」というような意味で使われていますが、一体誰がいつ言い出したのでしょう。

しかし、英語でこのような意味でtensionという言葉を使っても、英語圏では全く通じないどころか、逆に近い意味で解釈されます。

そもそも、tensionとは元々複数のものの間の「張力」という意味であって、一人で勝手に張力を上げることはできないので、My tension is highとは言えません。そして、tensionという言葉は、ストレスとか緊張とか、ネガティブな意味でしか使われないのが普通です。

例えば、
Tensions between the US and Russia are high
というように、「何々と何々の間の緊張感が高い」を表すbetweenという接続詞が入ることが多いです。

Tensions are high in this roomと言ったら、その場の雰囲気がピーンと張りつめているという意味です。自分がもし意地悪な英語教師で、これを英文和訳の問題に出したら、ほとんどの生徒は「この部屋は全員が盛り上がっている」とでも訳すでしょう。

また、tenseという形容詞はnervousと同意語なので、I am tense.と言ったら、「私は緊張している」という意味です。

では今巷で使われているような意味を英語で言うとしたらですが、get excited, feel upbeat, raise one's spiritsというような表現になるかと思います。

例えば、
I get excited every time I come here.
This music makes me feel upbeat.
His speech raised everyone's spirits.

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2015年7月 4日 (土)

「ご無沙汰しております」を英語で言うと?

英語に関しては別ブログを立ち上げようかと思っていたのですが、こちらの方に書くことにします。

よく、仕事のメールで「ご無沙汰しております」で書き始めることがあると思います。これを英語ではどう言うべきでしょうか。

辞書やネットで検索すると、

It's been a long time (since I have written to you)

とか、

Long time no see.

などと書いてあります。上の例は、使わなくはないですが、どこかawkward(ぎこちない)です。下の方はかなりくだけた口語表現で、親しい仲が実際に会った時は使いますが、ビジネス文書では使えません。

自分がよく使う表現をご紹介しましょう:

Hope all is well with you.

all is wellとは、相手の仕事やプライベートを含めて、お変りなくうまく行っている、ということです。そしてHopeという言葉には、そうであることを願っているという相手への気持ちが込められています。日本語で言う「ご健勝のことと存じます」をもう少しフレンドリーにした感じです。

なぜこれが「ご無沙汰しております」という言葉の代わりになるかと言うと、頻繁にやりとりしている間柄であれば、相手の近況はわかっているはずなので、「お変りないと願っています」などと言わないから、「ご無沙汰している」ということが暗黙に表現されているからです。

自分は、It's been a long timeなどと、単にしばらくやりとりしていないという客観的事実を述べるよりは、Hope all is well with youと言った方が、相手のwell beingを願っている気持ちを伝えられるので、相手もよりいい気持ちになってくれる表現だと思っています。ぜひ使ってみてください。

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2015年4月30日 (木)

安倍総理の米議会での演説は、聴衆が原稿を渡されていなければ伝わらなかっただろう

スピーチにはContent(原稿)とDelivery(話し方)の二つの要素がある。安倍総理の米議会での演説は、おそらく猛特訓をしただろうに、ダメなDeliveryの見本だったと思う。

Deliveryには、発音・滑舌、「間」の取り方、抑揚などの話術要素に加えて、表情や目配りやジェスチャーなどのボディランゲージがあるけれど、ここでは前者に絞って書くことにする。

今回の演説を聞いていると、意識して単語と単語の間に間に置いているようだけれど、一つひとつの単語をぶつ切りに短く話す悪い癖があって、発音も決してよくはないので聞き取りにくい。強調したい言葉は、ゆっくり話すことも必要なのだけれど、総理の場合はペースを変えずにただ声のボリュームだけを突然張り上げるので、ぎくしゃくして聞こえて伝わりにくい。

例えて言うならば、優れたスピーチのDeliveryというものは、なだらかなアナログ波形のように話している内容に連動して速度と音量に抑揚もあるけれど、安倍総理の場合はぶつ切りのデジタルパルスのようだ。

実は、発音は少々下手でも、この「内容と抑揚の連動」ができているスピーチの方が、単語の発音はきれいだけれど抑揚がないスピーチよりは伝わりやすい。自分が思うに、話している内容が本当に自分の言葉でなければこの「内容と抑揚の連動」はなかなかできない。スタッフが書いた原稿を読み上げているから、ContentとDeliveryがバラバラになってしまうのだ。

自分は以前、某大企業の社長のスピーチライターをやっていたけれど、政治家や企業経営者になると、スピーチのContentは別の人が作成することが多い。しかし、Deliveryする人は、そこに自分のこだわりを入れ、本当に「自分の言葉」となるまでに納得するまでスピーチ原稿を研ぎ澄ます人と、それをほとんどやらないでスタッフの書いた原稿を棒読みする人がいる。今回の安倍総理がどちらかは一概には言えないが、確かなことは、英語スピーチのDeliveryをもっと勉強する必要がある、ということだ。

実はスピーチの原稿全文を読むと、中身はそんなに悪くはない。この演説は議会ではそれなりに評価されたようだけれど、映像を見ると聴衆はスピーチの原稿を事前に渡されていて、それを目で追っていることがわかる。原稿を読みながら聞いているから何を言っているかがわかるけれど、それがなければおそらく半分も中身は伝わらなかったと思う。逆に、きちんとDeliveryができたら、もっと感動と共感を呼ぶことはできただろう。

自分も最初YouTubeの映像だけを見たら、全然内容が頭に入ってこなくて、原稿全文を読んで初めて、「ああ、そういうこと言っていたのね」という感じだった。そういう意味では、Deliveryに自信がない場合は、事前に聴衆に原稿を渡しておくべし、という教訓でもある。

ただ、厳しいことを言うと、中身も日米関係を持ち上げるだけの美辞麗句ばかりで、何ら新しいビジョンも提案も具体策も、考えさせることもなかった。そして結びのスピーチの決め台詞も、"join our hands together and do our best to make the world a better, a much better, place to live"=「一緒に手を取り合って、世界をもっと、もっと住みやすい所にするためにベストを尽くしましょう」という幼稚で陳腐な言葉には、日本人として穴があったら入りたくなるくらい恥ずかしくなった。


演説の原稿の全文は、こちら

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