カテゴリー「☆書評」の2件の記事

2013年11月10日 (日)

The Everything Store: Jeff Bezos and the Age of Amazonを読みました

Theeverythingstore200x312Steve Jobsに関しては実に多くの事が書かれているけれど、Amazonの創業者であり現在もCEOであるJeff Bezosに関しては、本人がメディアに出たがらないこともあって、あまり多くのドキュメンタリーはありません。

Jeff Bezosの伝記でもあり、Amazonの創業時からの物語である、先月発売されたばかりのこの本を、Kindleで読みました(まだ英語版しかありません)。

作者のBrad StoneはBloomberg Businss Weekの記者で、長年のBezos本人やAmazon関係者述べ300人への取材を通じてこの本を書いています。Kindleで本を読む時の唯一の欠点は、どのくらいのボリュームがあるのかの実感がつかみにくいのですが、紙の本だと384ページなので、結構な大作と言えるでしょう。

Amazonをユーザーとして使っていると、その品ぞろえの豊富さ、値段の安さ、ウェブの使い勝手の良さ、物流の速さなどが実感できますが、それらを実現するためにその裏側でどれだけJeff BezosとAmazonという会社が容赦なく突き進んできたかが、この本を読むと恐ろしいほどのリアリティを持って理解できます。

そもそもAmazonという社名は、アマゾン川から来ています。アマゾン川は長さでこそ世界で2番目ですが、水量では2位から8位までのすべての川の合計よりも多い、ダントツで世界最大、という点をBezosは気に入って命名したそうです。Amazonが本の販売で創業したのは、たまたま本という商品が最もネット販売に向いていたからであって、Jeff Bezosのビジョンは、最初から、ネットを使って、ありとあらゆる商品を、最も安く、最高の購買体験で世界中のお客様に届けたいというものでした。

そのビジョンを実現するためのJeff Bezosのリーダーシップは、一言で言うと「Relentless=容赦ない」に尽きます。実は、Bezosは社名をRelentless.comにしようと考えていたこともあって、今でもAmazonはこのドメインを所有していて、このURLを入力するとAmazonに飛ぶようになっています。

Steve Jobsも相当エキセントリックでしたが、Bezosはそれを上回るのではないかと思います。その「容赦なさ」は、社員、競合、取引先、そして時には政府とも対立して来ました。子供の頃から神童と呼ばれ、おそらくとんでもなくIQが高いと思われるBezosは、社員に対して常に深く、長期的に、競合のことではなく顧客の立場に立って考えることを要求します。

その一例として、もはや世界中の企業でスタンダードとなったPowerpointはAmazonの社内では使用禁止です。その理由は、考えを箇条書きにすると、箇条書きの間に隠し事や逃げ道を用意できて、真に批判に耐えうるきちんとした論理的思考と、自分の考えを完全な形で表現することを阻むからだそうです。その代わり、報告書や提案書は、6ページ以内の文章という形を取り、会議ではまず全員がその文書を静かに熟読し、それから議論を始めるというスタイルを取るという徹底ぶりです。

今年Jeff Bezosは、経営難に陥っていたWashington Post紙を約250億円で個人的に買収しました。それは決して言論をコントロールしようということではなく、彼自身が上の例のように文章を書くということに執着があるということと、いずれ新聞を本格的にデジタル化する実験台とすることを考えてのことだと言われています。

Amazonはすでに、既存の出版社と競合する、Kindle Direct Publishingという個人出版業も展開しています。ここからベストセラーが出るようになったら、Amazonは出版社としても台頭してくるでしょう。

作者は、Amazonはその使命を全うするにはまだまだ進化途中で、品揃えを完成させるためには生鮮食料品にも進出し、顧客体験をすべてコントロールするためには宅配業をも傘下に収め、携帯電話やセットトップボックスにも進出するだろうと予測しています。そうなった時に、Amazonは、The Everything Storeとなるのです。

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2008年1月26日 (土)

『社長!儲けたいなら数字はココを見なくっちゃ!』

Shacho

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ちょっと堅い、ビジネス書のご紹介です。

「会社の数字の見方」というような解説本は世の中に腐るほどありますが、ほとんどが教科書的に財務諸表の言葉や概念をできるだけわかりやすく説明したものです。しかし、その手のものを読んでもいまいちピンとこないのは、「概念的はわかるのだけれど、その知識を日々のビジネスに具体的にどう使ったらいいのかわからない」からだと思います。

その点、本書は著者の実践的な経営体験に基づき、数字の説明ではなく、どう数字を見て、それを経営の現場でどう活かすべきかを、極めてわかりやすく解説しています。

この本の内容をわかっていただくには、そのポイントを整理するよりは、このような問いかけの方が有効だと思います。もし、あなたが以下に一つでも当てはまるものがあったら、この本を読むべきです:

【すべてのビジネスマン対象】

・利益を増やすためには、まずは売上を増やすべきだと思っている

・販売促進費を、売れていない商品にかけている

・営業を、売上目標の達成率で評価している

・売上計画を、過去の実績を元に、「意志」よりは「予想」で立てている

・利益率を上げるためには、個々の商品の利益率を上げなければならないと思っている

・赤字を解消するためには、まずはコスト削減から手をつける


・・・これらは、ほとんどの方が身に覚えがあるのではないでしょうか。すべて、一概に間違いとは言えないのですが、本書を読めば、どうしてこれらの行為がいけないのか、逆にどうしたらいいのか、という別の視点を見ることができます。


【オーナー・企業経営者対象】

・P/Lは見るが、B/Sは経理・財務や会計事務所に任せている

・利益は出ているのに、資金繰りに苦労している

・自社ビルの方が、賃貸を続けるよりは得だと思っている

・銀行はお金を貸してくれないと思いこんでいる

・社員のボーナスや給与が、会社や部門の業績に連動していない

大企業に勤めている人は、P/Lを見ることはあっても、B/Sを見ることはほとんどありません。それは、ある意味当然であって、大きな会社であればB/Sは経理・財務が管理しており、完全な分社制を採っていて、しかもそのトップにいない限り、財務構造を変更する権限を持ったり資金計画の責任を負うことはまずありません。

ところが、そのような大企業に育った人が起業したり会社の経営者となった場合に問題なのは、それまでB/Sを見る習慣がなかったので、相変わらず売上と利益だけを追い、企業経営の体質を決める財務管理が全く疎かになってしまうことです。

この本を読むことによって、「経営者」という視点で会社の数字を見る目が育つと思います。

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