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2017年11月12日 (日)

ソニーのスマートスピーカーに向かって「OK Google」と呼びかけるのは屈辱的だ

スマートスピーカーがにわかに注目を浴びている。

自分はソニーのOBだ。もう辞めてずいぶん経つので、ソニー製品に対するブランドロイヤルティは相当希薄になっており、納得すればソニーを買うけれど、そうでなければためらくことなく他社を買う。

だけど、そんな自分でも、ソニーのスマートスピーカーに向かって、「OK Google」と呼びかけることだけは、情けなくてできない。買うか買わないかという次元の話しではなくて、独自技術にこだわり、「人のやらないことをやる」というソニースピリットを持った人間として、そこまで他社にキン○○を握られることは屈辱的だと思う。今のソニーマンは、この製品を胸を張って売れるのだろうか。

Sony_speaker

このスマートスピーカーで使える音楽配信サービスは、Google Play MusicとSpotify。かつてのソニーの、「ソニーの端末ではソニーのコンテンツサービスしか使えない」という愚かな「囲い込み」戦略と比べれたらこれは正しいのだけれど、これではソニーは他社を儲けさせるための道具を製造しているにすぎない。

ソニーがAndroidをスマホに採用した時、「井深さんと盛田さんはお墓の中で泣いておられる」と思った。あの時点では自社技術がなかったから仕方なかったとしても、問題は、「今回は負けだけど、次は勝つぞ」と思ってその時に逆転のための仕込みに着手していて、今でも隠し球を開発しているかだけど、そうしているとは思えない。ソニーは自ら世の中にないものや誰にも作れないものを生み出してライセンサーになるのではなく、誰かが作った技術のライセンシーになるという立場に安住しているように見える。

ソニーの商品企画や工業デザインのセンスは今でも一流だと思う。イメージセンサーや有機ELなど世界最高のデバイスもいくつか持っている。それらを活かして世界で最も魅力的な端末を作ることはできるかもしれない。だけど、このままだとその端末を動かすためのライセンスを永遠に支払い続け、その端末の上で売られるコンテンツの収入も持って行かれる。プラットフォームの「胴元」になれなければ、所詮端末屋の価格競争とわずかな機能性能の差別化競争という消耗戦を戦い続けるだけだ。

今期、ソニーは最高益を上げたけれど、その純利益率は6.3%。それでも日本企業としては立派だから、それでよしとするのでもいいのかもしれない。だけど、端末屋から胴元にステップアップできない限り、例えばアップルの20.4%というレベルには絶対に届かない。

(参考)
アップルの売り上げはソニーの約3倍だけど、純利益は約14倍(年間ベース)、時価総額は約15倍もある。ソニーの時価総額は年間売上高よりも少ない、約8割に対して、アップルの時価総額は売上高の約4倍。これが端末屋と胴元の差だ。

Sony_apple_3

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