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2016年6月25日 (土)

護憲派の皆さん、こんな憲法改正でも反対ですか?

憲法論争になると、「平和憲法は素晴らしいからとにかく変える必要がない」という思考停止した護憲派と、アメリカに言いなりの軍事強化をしたいタカ派に二分されている。自分は、憲法のあいまいさと拡大解釈を防ぐために、憲法は改正すべきだと思っている。ただし、集団的自衛権を含め、現在の安倍自民党が考えているものとは違う。

まともに憲法9条を読んだら、

「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」
と明記されているのだから、自衛隊自体が違憲で、日本は本来、非武装でなければならない。だから、厳格に憲法を守って立憲主義を追求するのであれば、自衛隊は解体しなければならない。昔は大真面目にそう主張する人も多かったけれど、最近では共産党でもあからさまに自衛隊の存在は否定しなくなった。

では現在どういうロジックで自衛隊が正当化されているのかと言うと、野党やマスコミを含めて、「憲法は、自衛権までは否定していない(肯定もしていないけれど)*。自衛のための必要最小限度の武力保持は、9条の例外として許容される」という詭弁とこじつけを信じることにして黙認しているというのが実態だ。

つまり、「今さら自衛隊を解体することは現実的ではないから、いいことにしようよ」と現状に合わせて「都合のいいように憲法を解釈」しているのだ。自衛隊を容認している時点で、すでに立憲主義は破綻しているのだ。このように現状に合わせて都合のいい解釈をしたり、例外を許容したりするゆるさこそが、今の憲法の危うさなのだ。その最もいい例が、護憲派はもちろん改憲派までも「戦争法案」として大反対している、通称安保法案だ。

自衛隊の個別的自衛権を認めていること自体が憲法の拡大解釈なのだけど、「集団的自衛権はいくらなんでも拡大解釈が過ぎる」と自民党が選んだ憲法学者でさえも全員が違憲だと主張したにも関わらず、 安全保障関連法は通ってしまった。

つまり、「どっちにも解釈できるよね。だから国会で多数決で決めちゃえばいいよね。俺たち過半数持ってるし。」ということで決まってしまった。このように、憲法を改正してきちんと「自衛権」の中に含まれることと含まれないことを定義しない限り、今回の安全保障関連法のように、法案レベルで何でもできてしまうのだ。

護憲派の皆さん、こんな憲法改正でも反対ですか?

・自衛(自国の領土・領海・領空の防衛)のために陸海空軍の戦力を持つことを認める
・徴兵制は認めない
・核兵器および自国領界を超えて他国を攻撃するミサイル等の戦略兵器の保有は認めない
・武力行使を目的としない平和的活動以外に、国外に派兵することは認めない(ただし自衛のための武器を所持することは認める)

「憲法が改正されたら徴兵制が復活して戦争国家になる」などと言っている人がいるが、ナンセンスだ。むしろ、憲法を改正しないでこのままの拡大解釈容認体制を放置した方がその可能性は高いと言えるだろう。徴兵制や核保有などを認めないと明記した憲法に改正すれば、その恐れは完全になくなる。「改正する」「改正しない」の単純な二元論ではなくて、どのような憲法にすべきかを、国民一人一人が真剣に考える手間を惜しんではならない。

*憲法には「自衛権」を認めた記載はないが、13条、「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」の中で自衛権は正当化できるという解釈が一般的。しかしこれはなんとか自衛隊が合憲だという根拠を見つけ出すためのこじつけの憲法解釈である。

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