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2014年5月12日 (月)

「第一類医薬品の薬剤師による対面販売」の欺瞞

東京の街中にはやたらに薬局が多い。しかし、妻の鼻炎が酷いので、眠気がなくてよく効くと評判の「アレジオン」(第一類医薬品)を買いに行ったら、ほとんどの大型チェーン店はそもそも第一類を扱っていないということを知った。第一類取扱店でも、薬剤師がいないと売ってくれず、週末や夜間は不在で、その間は第一類医薬品の前にはカーテンがかかっている。そして、薬剤師がいない時に第一類を指名して購入出来ない場合、お詫びとしてその薬の1割引券がもらえるというシステムが近所の薬局にあることを知った。

その割引券を持って、今日薬剤師がいる時にアレジオンを買いに行った。店員が隣のレジで接客していた薬剤師に箱を見せると、その薬剤師はこちらに顔だけを向けて、

「使ったことありますか?」
の一言の質問だけ。自分も妻も薬の副作用が起きたことはないし、常飲している薬もないから面倒臭いので、「ありますよ」と笑顔で嘘で答えたら、その受け答えだけで売ってくれた。

こんなものである。第一類医薬品のネット販売が、「対面販売でないと安全性を担保出来ない」という理由で「有識者」が反対して最高裁まで行ってネット販売者側が勝訴したが、こんなやり方でどう安全性を担保するというのだ。

ネットでは嘘を見破れないけれど、薬剤師なら見破れるとでも言うのか。最低でも、有無を言わさず副作用や注意事項の確認をさせるか、文書を渡さなければ、意味がないだろう(実は薬事法でそう義務付けられているが徹底されていない)。でもそれならば、ネット販売の方が強制的に注意事項をチェックしないと絶対に購入できない仕組みを作っているから、より安全だとも言える。そこで虚偽の記載をしたら、何か問題があっても記録も残るし自己責任とも言える。

そもそも医師による処方が不要で患者が自身の判断で購入できる市販薬と指定した段階で、薬剤師の対面販売を要求するという中途半端な規制などナンセンスだ。逆に言うと、そんなに副作用のリスクがあるというなら市販薬にすべきではないし、まるでお菓子のように、きれいなお姉さんがにっこりと笑って箱を掲げたり、ジャニーズのお兄ちゃんが紫色の髪で宇宙人の格好をして消費を煽るテレビCMをゴールデンに流すことも許すべきではないだろう。

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元々は医師会と店舗型販売業者がネット販売業者を締め出すために役人と結託して作った規制だったけれど、第一類のネット販売が解禁された今、この規制は誰のためにもなっていない。製薬会社は販路を制限され、販売者は薬剤師を雇わなければ商品を売れなくて経営が圧迫され、消費者は購入したい時に買えなくて利便性が損なわれている。得したのは薬剤師の雇用くらいだろう。

こういう何か問題があった時の厚労省の責任逃れと、既得権益者を守るために作られた馬鹿みたいな規制を残しておいて、何が「成長戦略」だ。日本は、こういう意味のない無駄な決まりをどんどんなくしていかないと、新しいビジネスチャンスを生むことなどできない。

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