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2013年10月24日 (木)

阪急阪神ホテルズに見る、不祥事対応の典型的なNGパターン

阪急阪神ホテルズが経営する8つのホテルと単独の4つのレストランにおいて、表示されたメニューよりも、実際には安い食材が使われていたという問題。その一例:

鮮魚→冷凍魚
レッドキャビア→トビウオの卵
芝エビ→バナメイエビ
手ごねハンバーグ→市販品
信州そば→中国産そば
フレッシュジュース(搾りたて)→ストレートジュース(市販品)
沖縄産の霧島ポーク→他県産の普通の豚
九条ネギ→普通の青ネギ・白ネギ
手作りチョコソース→既製品

47品目、最大価格差3倍。多くの店舗で、これだけ多くの品目で、表示違いの内容も食材・産地・鮮度とその性質が広範囲。これだけのことが、企業ぐるみで意図的でなくて起きるはずがない。

日本の大企業というものは前例主義である。仮に「偽装表示をしろ」という具体的な指示がなかったとしても、以前からこのような「ごまかし」がまかり通っていれば、「どうせ客にはわからないし、ここではこのくらい(の不正)は許される」と誰もが判断して日常的に実際の食材よりも見栄えのいいメニュー表示を行っていた、というのが実態なのではないだろうか。明示されていなくても、企業内の慣習は経営方針と同じだ

例えば、「冷凍魚のムニエル」じゃまずいから「鮮魚のムニエル」にしちゃえ、中国産のそばだけど、信州産と言っちゃえ、地鶏じゃないけど地鶏ということにしておこう、というような判断が、誰からも指示されなくても現場で日常的に行われていたのだろう。つまり企業ぐるみで、不正の認識はあっても、罪の意識はない、というやつだ。企業倫理が完全にマヒしていて、コンプライアンスが全く機能していない状態だ。それは、単純なミスとは明らかに違う。

しかし今日の記者会見では、「偽装」ではなく「誤表示」、「意図的」ではなく「知識不足・連携不足」、「傲り」ではなく「甘え」など、この社長の言っていることは、事実を矮小化しようとする詭弁ばかり。

不祥事を起こした時に、どうして日本の企業や政治家は、「否定・矮小化・責任転嫁」をした方が信用を失うということがわからないのだろう。人も企業も、時には過ちを犯す。その時問われるのは、過ちを犯したという事実そのものよりも、まずは事実を正直に認めることと、次にその対応と責任の取り方。そこで人と企業の「人格」が明らかになり、それを見て、その後も信用に値するかどうか人々は判断する。

そういう意味では、あの記者会見を見た人は、絶対に阪急阪神ホテルズは利用しないと思うだろう。つまり、不祥事対応を誤ると、消費者はこういう行動を取るということ(これは、実際に私が持っていたメンバーズカード):

Hankyuhanshin_460x423
このブログのテーマでもある、エヴァンジェリスト(リピーター)がテロリスト(アンチ)に変わった瞬間。私はこの半分に切ったカードを、このブログ記事を印刷したものと一緒にホテルに送り返すつもりだ。ネットで色々と書くのもいいけれど、このような消費者の具体的な行動が、企業には一番伝わるはず。

この社長の処分は、減給20%。痛くも痒くもないだろう。年収3千万円で1年間でも600万円だけど、おそらく減給は数カ月だろう。1億円以上になる客への返金分全額を役員と関係者で減給対象にするというならまだ納得できる。

私がこの会社の取締役だったら、不祥事を起こしただけでなく、信用を回復するどころかさらに失墜させ、顧客を失わせ、将来の売上にも打撃を与えた責任として社長の解任動議を出すだろう。

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