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2013年8月16日 (金)

Windows 8はユーザー不在の「動機が不純」なOS

Windows 8は、タブレットにPCが浸食されるのを食い止めようとしたマイクロソフトの「動機が不純」なOSだ。まずはこのグラフを見ていただこう。青線がタブレットの全世界出荷数、黄色の線がノートPC。

Yu_idc

IDCは、タブレットは2013年中にノートPCの出荷量を超え、2015年にはPC全体を超えると予想している(詳細はこちら)。言うまでもなく、そのほとんどはiPadとAndroid。このことに危機感を感じたマイクロソフトは、タブレットのOSとして、またノートPCを「タブレット的に」使えるようにしたのがWindows 8。

多くのPCメーカーにOSをライセンスするマイクロソフトが、Surfaceというタブレット端末を自ら発売して、これまでの客と競合するという暴挙に出たことでも、いかにマイクロソフトが焦っているかを表している。

さて、ここでマウスを使う従来のPCユーザーの視点から、Windows 8の使い勝手を見ていこう。私は1988年のWindows 286からWindowsを25年間使っているけれが、Windows 8は、これまでのWindowsの歴史の中でも、ユーザーインターフェースという点では最もドラスティックに変わったものだと思う。少なくとも、これまでのバージョンで、「どうやったら電源を切るのかわからない」というようなことはなかった(苦笑)。

Windows 8を使ったことのない方のために説明すると、まずPCを立ち上げると、この「スタート画面」というのが出てくる。大きめのアイコンは、大雑把なタッチでもいいように、明らかにタッチパネルを意識したデザイン。

Windows81

このままでもInternet ExplorerやOutlookなどのプログラムを使うことができるけれど、その場合はこれもタブレット環境前提の全画面表示となり、画面上部に見慣れたメニューバーはない。だからマウスを使うユーザーにははなはだ使いにくい。なので、従来のデスクトップ環境にするには上の図の左下のタンポポの絵をクリックする。

Windows8desktop

そうすると、見慣れたデスクトップの画面が現れる。ここからプログラムを起動すると、同じプログラムでも先ほどのスタート画面から起動した場合とは異なり、従来のWindowsと同じ感覚で使うことができる。

問題は、マウスを使うデスクトップPC環境のユーザーにとっては、起動すると最初に出てくるスタート画面は無用の長物で、ほぼ反射的にデスクトップ表示に切り替えるのにも関わらず、このスタート画面をバイパスすることができないということ。これが最もユーザーから苦情があった点だと思われ、10月にリリースされるWindows 8.1には"Boot to Desktop"という新機能でやっと実現される予定。

ただ、このデスクトップ画面には、従来のWindowsの画面左下にあったスタートボタンがない。「すべてのプログラム」などのプログラムの起動機能がないなので、デスクトップに登録するには例のスタート画面に戻して、そこで操作なければならない。この辺は全く新しい操作方法で、マニュアルを見ないとわからない。

スタート画面がタッチパネル用、デスクトップ画面は従来のWindowsの操作性と素直に割り切ればよかったものを、なぜかデスクトップ画面の使い勝手まで変えてしまった。

その中でも最も不評なのが、シャットダウンの方法だろう。従来は、スタートボタンをクリックして、ポップアップからシャットダウンや再起動を選べばよかったけれど、Windows 8では、こんな作業を要求される:

Windows8_shutdown_ppt

正気の沙汰とは思えない最悪のユーザーインターフェースだ。電源を切る度にイライラする。クルマのイグニションキーの位置を、ある日突然グローブボックスの中に隠してしまうようなものだ。これもWindows 8.1で改良されることを期待したい。

実はWindows 8は、ユーザーインターフェースの部分以外は、起動も終了も半分くらいの時間でできるし、サクサク動いて安定しているし、OSとしての基本性能は高いと感じている。

ただ、全世界で13億台ものインストールベースのあるOSは、その使い勝手の継続性を保つ「責任」があると思うのだ。PCというものは、まず第一にproductivity(生産性)のツール。それを、自分たちの競争上の都合だけで操作性を大幅に変えてしまって、従来のユーザーに新しいユーザーインターフェースを学習させるということは生産性を下げることになる。

もう一度最初のグラフを見ていただきたい。赤線と黄色線の差は、デスクトップPCの出荷数で、これはPC全体の役4割あり、ほぼ横ばいで推移している。これはタブレットとは逆に、ほとんどがWindows。この4割のデスクトップのユーザーにとっては、スタート画面は無用の長物にも関わらず、それを強制的に使わせようとしているわけである。

結論として言うと、Windows8はタブレットを意識しすぎた結果、大部分のPCユーザーを犠牲にして、以前より使いにくいものにしてしまった。こんなユーザー不在のことをやっていると、ますますPC離れが加速するのではないかと私は思う。

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