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2012年1月26日 (木)

「ハグで始まる、貧困対策」

Kristof_newarticleinlinev2NY Times元東京支局長で、ピューリッツァー賞を2度も受賞しているNicholas Kristof氏が、また興味深いコラムを書いているのでご紹介します(原文は、こちら)。昨年の震災直後に彼が書いた、「日本へのお見舞い、そして賞賛」という感動的なコラムをご紹介しましたが、その記事はこちら

簡単に要約すると、子供にとっての最大の危機は、教育の質でも病気や交通事故や犯罪でもなく、家庭内の愛情の欠如による"Toxic Stress"=「有毒ストレス」によるものだということです。これは、アメリカ小児科学会の20年にも渡る科学的研究によって、導き出された結論です。

この研究によると、幼少期における親によるアルコール中毒やDVや育児放棄はもちろん、懐妊時からの母親自体のストレスも、子供に大きな有毒なストレスを生み、それが成長期の子供の脳に不可逆的な悪影響を与えるというものです。

有毒ストレスの環境にずっと置かれた子供の最大の問題は「自虐的な行動パターン」を取るようになることであって、それが短気で集中力がないため学習能力が落ちたり、栄養が偏った食生活で肥満や生活習慣病になったり、犯罪を起こしたり、幸せな結婚生活を営むことができなくなったりするということにつながります。もちろん、劣悪な家庭環境で育った子が後に素晴らしいことを成し遂げることはありますが、これが貧困の負の連鎖を断ち切るのがいかに難しいかということを物語っています。

さて、ここからが重要なポイントです。有毒ストレスは、愛情によって解消することができるということです。母乳で育てたり、子守歌を歌ってあげたり、本を読んであげたり、抱きしめてあげることが有効です。貧困家庭にチャイルドケアの専門家を送り、このようなコーチングをした家庭で育った子供は、そうでない子供よりも6歳の時点で学習能力や行動パターンで問題がある比率は1/3、15歳時点で逮捕される比率は半減するという統計があります。

ソニーの創業者の井深大さんは、30年以上前から「幼稚園では遅すぎる」「0歳からの教育」ということを提唱していましたから、今更何を当たり前のことを、と思う方がいるかもしれません。しかし、アメリカ小児科学会が、これを単なる研究発表ではなく、今後最も重点的に解決しなければならないPolicy Statementとして発表したことは、行政に大きな影響を与えると期待できます。医療や教育などのインフラを整えることはもちろん重要ですが、それ以前に手を打つことの方が、実は経済合理的だということがわかれば、アメリカという国は意外に早く動きます。

"It's easier to build strong children than to repair broken men"
=「壊れた大人を直すよりは、強い子供を育てる方が易しい」

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投稿: ゆりこ | 2012年2月 8日 (水) 12:30

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