ドイツで行われる、世界最大の写真関係の見本市「フォトキナ」に合わせて、ソニー、パナソニック、ライカからそれぞれ全く異なるアプローチの新型デジタル一眼レフカメラが発表されました。この3社、イメージセンサー(CCD、MOSなどの撮像素子)に対する考え方が三者三様で非常に面白いと思ったので、取り上げさせていただきます。
まずはイメージセンサーのサイズに関する基礎知識を。
最近のコンパクトデジカメでも1000万画素超は当たり前になっている中、デジタル一眼レフでも1000万~1500万画素のものが多いので、カメラに詳しくない人は、画素数だけ見て画質に大差はないと思っている人も多いと思います。しかし、下のイメージセンサーの大きさ(特に面積)の比較表をご覧ください:

現在各社から販売されているレンズ交換式一眼レフのセンサーはAPS-Cサイズが主流で、キャノンとニコンはプロやハイアマチュア用に35ミリフルサイズも出しています。APS-Cは、ある程度35ミリレンズとの互換性を保持していますが、フォーサーズ(4/3型)は、デジタル専用に考えられた新しい規格です。
さて、35ミリサイズのセンサーの面積を100%とすると、一般的に売られているコンパクトデジカメの1/1.8型や1/2.5型は、そのわずか3~4%のサイズしかないことがわかります。APS-Cサイズと比較しても、6~9%と10分の1以下のサイズです。これを視覚化すると、こんな感じになります:

ここでのポイントは、一眼レフは、同じ画素数であっても、コンパクトに比べて一つ一つの撮像素子のサイズが10倍以上も大きいので、その分光を取り入れやすく、ノイズが少なく、光の階調(明暗差のダイナミックレンジ)が豊かだということです。
さて、ここで本題の新製品群です。
まず最初は、王道とも言える、35mmフィルムと同じサイズの2460万画素のイメージセンサーを搭載した、ソニーのα900。
交換レンズがフィルム時代と同じ焦点距離の感覚で使えるのと、大型イメージセンサーによる解像度と階調の豊かさが魅力。ソニーは、ミノルタから一眼レフ事業を継承したので、フィルム時代からミノルタレンズを使っていたファンが待ち焦がれていたカメラだと思います。ただし、あまり古いレンズは光学特性的にデジタルには向かないと思いますが。
価格は、ボディのみで328,000円、10/23発売です。
次は、パナソニックのルミックスG1。これは、最近発表されたマイクロフォーサーズ規格(イメージセンサーのサイズは同じながら、ミラーボックスを省くことでボディの厚みとレンズの直径を縮小した新規格)を採用した、小型軽量路線のカメラです。

一見、光学的なプリズムがありそうなデザインですが、ビューファインダーは超高精細な電子式で、常時ライブビュー(レンズからの映像を直接見るのではなく、撮像素子が拾っている画像信号を見ている)です。また、右の写真のようなフリーアングル液晶も備えています。
この製品の魅力は、レンズ一体型のデジカメと同じくらい小型軽量であるにも関わらず、レンズ交換ができることと、コンパクトよりは圧倒的に大きいイメージセンサーによる高画質です。上のイメージセンサーの比較表を見ていただくと、フォーサーズでもコンパクトの6~9倍もあるので、その画質には大きな差が出ます。
G1はボディのみで385グラム、14-45ミリ(35ミリ換算で28-90ミリ)のレンズ込みでも635グラムという軽さです。ちなみに、さそりいのししが愛用しているAPS-CサイズのPentax K20Dは、ボディだけでも800グラムもあり、標準ズームレンズを装着すれば1.3キロくらいになりますので、約半分の重さということになります。
バイクに乗る時は、よほど真剣に撮影するつもりの時以外はK20Dと交換レンズを持たないので、コンパクトカメラしか持っていない時に素晴らしい風景に出会って悔しい思いをしたことは何度もあります。しかし、このG1ならばあまり画質を犠牲にせずに気軽に携行できるので、荷物を増やしたくない小旅行やツーリングにはぴったりのデジタル一眼だと思います。ルミックスG1は、標準ズーム込みで9万円前後、10/31発売予定です。
なお、蛇足ですが、オリンパスからもマイクロフォーサーズ規格で左のようなレンズ交換可能なコンパクトカメラのコンセプトモデルも参考出品されています(発売は来年以降とのこと)。レンズ交換式と言ってもこのボディに長いレンズを付けたのではあまり意味がありませんが、魅力はやはりこのサイズで一眼レフ並の画質で撮影できるということでしょう。
似たようなコンセプトではAPS-Cとフォーサーズの中間くらいのイメージセンサーサイズのコンパクトカメラでシグマのDP-1という製品がありますが、個人的には質感や操作性など、製品の作り込みに魅力を感じられません。
これまでのフォーサーズの製品はどうも中途半端で低迷していましたが、このマイクロフォーサーズ規格によって、より製品の位置付けがはっきりしてきたので、今後が期待できます。
最後は、発表されたばかりの、あの名門ライカのSシステム。

これは、α900のさらに上の高画質を目指したシステムです。35ミリフルサイズよりもさらに約1.6倍大きい3750万画素というとんでもないイメージセンサーを搭載した究極のシステムです。もちろん、この独自のイメージセンサーのサイズに合わせたレンズ群もフルラインアップで揃えるようです。
見たところボディは1キロ以上ありそうだし、イメージサークルが大きい分レンズの直径も大きいので、撮影時は2キロ級となり、基本的には中判カメラと同様の、三脚使用を前提としたプロ用のシステムと言えるでしょう。
価格や発売時期等は不明ですが、おそらくボディだけでも軽く100万円は超えるでしょう。





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