« 『不都合な真実』日本公式サイトオープン! | トップページ | Ducatiのバッグと「悪魔の囁き」 »

2006年10月 9日 (月)

バイク乗りのための写真講座1

001さそりいのししは、中学生時代から写真も趣味で、「フォトマスター検定」1級(=「高度な知識・技法」)という「趣味の資格」を持っています(2004年12月の第一回検定で取得)。

”フォト検”とは、写真撮影の原理や技術、機材などに関する実用知識の資格検定で、3級から1級まであり、さらには1級合格者だけが受験できるエキスパートという階級もあります(作品の提出や小論文あり;未受験)。

エキスパート以外は実技試験はないので、「知識だけでいい写真が撮れるのか」という批判もあるようですが、光の特性やレンズ等の原理、撮影技法などの「理論」をしっかりと知った上に「感性」があって本当に「いい写真」が撮れるのだと思います(「サイエンスを極めた先にアートがある」・・・「ライディングに通じる諺」より)。

と、前置きが長くなりましたが、これから時々、ちょっとした工夫でバイクやツーリングでの写真に役に立つ知識や機材をご紹介させていただこうと思います。
第1回目は、ツーリング先の「絶景ポイント」できっと役に立つ、「バイクと遠景を撮る」編です。(なお、今後取り扱って欲しいテーマがありましたら、コメントにご記入ください)

Mtfuji1Mtfuji2

上の2枚の写真は、実は昨日、東名高速・富士川SA(下り)で撮ったばかりのものです(Kodak V570使用)。この富士川SAは、非常に富士山が大きくきれいに見えます。こんな状況で富士山を背景にバイクを撮ろうとすると、ほとんどの人は、左のような写真を撮ると思います(クリックして拡大)。

最も一般的に普及している3倍ズーム付きのコンパクトカメラを使うという前提だと、ズームを最も広角側(38ミリ程度)にしてバイクの近くから山を一緒に画面に入れて撮影する、という方法です。
これはこれで「バイクが主役」と考えるならば悪い写真ではないのですが、そもそも「写真を撮ろう」と思った動機の肝心の富士山がえらく小さくなってしまって、肉眼で見た時の印象ともかなり異なります。

それに対して右の写真は、逆にズームを最も望遠側(120ミリ程度)にして、バイクから20メートルほど下がって撮影したものです。肉眼で見た印象以上の富士山の雄大さが再現されていると思います。(両方の画像をクリックして最大化した状態で、2枚を横に並べて見ると違いがよくわかります。)

実を言うと、自分も最初は左の写真の方法でいいと思って撮影したのですが、モニターで確認したら、「これ、違うよね」と感じて右の方法に切り替えたのです(そこでふと、「これは人に伝える価値があるかな」、とこの記事を書くことを思いつきました)。RASで教えるライディングと同じように、引き出しの数が多ければ、その場に応じた最適の方法を選ぶことができるのです。

バイクと山の間の距離は同じなのに、何故こんなに大きな違いが出るかというと、広角レンズは遠近感を誇張する効果があり、逆に望遠レンズは遠近感を圧縮する効果があるからです。言い換えると、広角レンズを使うと「遠くのものはより遠く(小さく)」写ってしまいますが、望遠レンズを使うと遠くのものでも近くに引き寄せて、近景と遠景の両方を大きく写すことができるのです。

ズームを、「フレーミングやアップを撮るためだけのもの」と勘違いしている人が多いですが、ズームを使うと写る範囲だけでなく、被写界深度(ピントが合う範囲)や、遠近感などの特性も変化するということを知ると、カメラの使い方も広がります。

【注意事項】
ひとつだけ、右の写真の望遠を使った撮り方の注意事項は、夕方などの暗い状況ではむずかしいこと。望遠にするとただでさえ手ブレしやすくなるので、暗いとシャッタースピードが遅くなってさらに手ブレしやすくなります。さらに、暗くなるとレンズの「絞り」が開いて被写界深度(ピントが合う範囲)が狭くなるので、近景と遠景の両方にピントが合わなくなる場合があります。

にほんブログ村 バイクブログへYajirusiani09131x60Yajirusiani10Blogranking125

|

« 『不都合な真実』日本公式サイトオープン! | トップページ | Ducatiのバッグと「悪魔の囁き」 »

☆写真・カメラ関係」カテゴリの記事

コメント

バイクに乗る時はいつもデジカメ持ち歩いてますが、やはり私も左側の写真になっちゃいますね。
今度からちょっと考えて撮って見る気になりました。
ワンポイントレッスン有り難うございます。

投稿: エヴァーテール | 2006年10月10日 (火) 01:01

仕事柄、わたしもカメラのレンズとレイアウトには気を遣っています。
でもなかなか引きしろが取れなかったりして、つい面倒なこともあり広角側でパチリ、ってのが多くなってしまいます。
でも、こうやって現物で比較されると分かりやすいですね。
今日は富士山バックに撮ってみました。
ちょっと意識してみたのですが…

投稿: じゅん | 2006年10月12日 (木) 22:15

エヴァーテールさん、じゅんさん、
もしお役に立てたなら幸いです。
じゅんさん、ブログ拝見しました。とてもいい写真ですね。

写真も柏さんの教えるライディングと同じで、どんな場合にでも通用する唯一絶対な方法などなく、「引き出し」が多ければその状況に応じた最適な方法を選ぶことができると思います。

投稿: さそりいのしし | 2006年10月12日 (木) 23:18

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/33255/12208835

この記事へのトラックバック一覧です: バイク乗りのための写真講座1:

« 『不都合な真実』日本公式サイトオープン! | トップページ | Ducatiのバッグと「悪魔の囁き」 »