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2006年9月の4件の記事

2006年9月24日 (日)

『世界最速のインディアン』レビュー

Indian1_1Indiandvd1
8月27日の記事
にも書きましたが、「世界最速のインディアン」という、実話に基いたバイクを題材にした映画のことを、劇場にあったチラシ(左)で知りました。
日本での公開はなんと来年の正月ということで、調べてみたらこれは2005年の映画で、アメリカでは既にDVD(右)が発売されていたのでアメリカのamazon.com(amazon.co.jpではなく)から注文。約一週間後に届き、一足先に観たのでそのレビューを書いてみようと思います。

Indiandvd2物語は、1960年代のニュージーランドの片田舎に住む62歳のバート・モンローという男が、40年もかけて改造した1920年型の「インディアン」で、最高速度記録の聖地である米国ユタ州のBonneville Salt Flatsでバイクの最高速度記録に挑戦するというもの。

実はバート・モンローという人物は、ニュージーランドではちょっとした英雄で、この映画の脚本と監督はニュージーランド出身で、ずっとこの伝説を映画化したかったというRoger Donaldson(「13デイズ」)。
DVDには、この監督が1971年に制作したモンローのドキュメンタリーも収録されています。つまり、この映画を製作するまで「構想30年」という訳です。
主演はアカデミー賞受賞俳優のAnthony Hopkins(「羊たちの沈黙」)で、作品完成後に、「自分の役者人生で最高の経験だった」と語ったとのこと(ちなみに、彼は100本近くの映画に出演しています)。
この二人の情熱とバート・モンローという人物に対する愛情が、この映画には溢れています。

モンローの口癖は:
「夢を持たない人間は、野菜と同じだ」
この手の映画の主人公は、大抵超人的な体力や精神力があったり、鬼気に迫るようなアグレッシブさがあるものですが、彼の場合はそういうことはありません。何せ40年もかけた夢だからです。その情熱は静かで、大地に根を張ったようなもの。

実は、1960年代に二ユージーランドからアメリカのユタ州までバイクを運ぶ(ちなみに、船)ということは、物理的にも経済的にも決して簡単ではなかった。
映画の前半は、主人公がこの挑戦のための費用を工面し、ロサンゼルスまでバイクを運び、オンボロ中古車を買い、トレーラーにバイクを乗せて、なんとかBonnevilleにたどりつくまでの珍道中をユーモラスに描いています。

アメリカの右も左もわからない外国の田舎者が、およそ非常識な振る舞いをしていくのですが、不思議にその素朴な情熱が、道中に接するすべてのアメリカ人を味方にしていくのが観ていて心が温まります。
実は、自分は60年代後半の子供時代をアメリカで暮らしました。当時は決して今のアメリカのようなルールでがんじがらめの訴訟社会ではなく、助け合いの精神が強かったです。この映画を観て、「今のアメリカだったらこうはいかないだろうな」と感じたことが別の意味で寂しくもありました。

肝心の記録挑戦の部分に関しては詳しく述べませんが、題名の「世界最速」を見れば結末は予想できるでしょう。しかし、これはプロットを楽しむ映画ではなく、ストーリーを楽しむ映画です。
自分の「いい映画」の定義とは、「筋」とか、極端に言うと「映画」ということを忘れさせて、「完全に主人公に感情移入できる」映画。そういう意味では、これは最高の映画の部類に入ると思います。

しかし、自分の評価よりは、一緒にこのDVDを観た、バイクに全く興味のない女房の、翌朝の一言の方が説得力があるでしょう:
「昨夜はいい映画を観たから、とても気持ちよく眠れた。」

この映画のチラシ(PDF)をダウンロード

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2006年9月21日 (木)

『不都合な真実』

海外出張のため約1週間ぶりの新規投稿です。
やっと仕事が終わってあとは日本に帰るだけなので、出張先のアメリカでこれを書いています。
今回は、成田第一ターミナルの南ウイングがやっと新装オープンして、TSUTAYAやユニクロまで出来ていてびっくりした、なんて軽い出張ネタを書こうと思っていたら、そんなことを完全に吹き飛ばすような衝撃的な映画を行きの機内で見たので、マジねたが続きますが、バイクとも無関係ではないのでこれについて書かせていただきます。

Aninconvenienttruth1映画のタイトルは"An Inconvenient Truth"、訳すと『不都合な真実』。
これは、クリントン政権時代の副大統領Al Gore氏による、地球温暖化への警告のドキュメンタリー。
Al Goreと言えば、かつては「情報スーパーハイウェイ構想」(今のブロードバンド)を提唱し、科学的先見性を政策に反映することに熱心な人です。

地球温暖化とは、簡単に言ってしまえば地球人口の増加と、それに伴う経済活動によって大気中の二酸化炭素が増加し、本来地球外に反射されるべき太陽エネルギーが閉じ込められ、地球全体の温度が上昇すること。
地球が温暖化すると何が問題かと言うと、過去何万年も凍っていた北極・南極の氷が溶け出し、それによって海面の水位が上昇し、海流が変化し、地球上の気象に根本的な変化をもたらし、生態系までも変えてしまいます。

地球が温暖化している事実に関して異論を唱える学者はいません。議論があるのは、それによって、「いつ頃、どんなことが起きるか」という点です。
Gore氏によると、このまま人類が二酸化炭素の上昇を抑えないと、約10年後には不可逆的な変化が起き始め、約50年後には地球上はほとんど生活が困難な状況になってしまう、という。最もわかりやすい現象としては、南極とグリーンランドの氷がこのまま溶け続けると、世界中の海面が5~7メートル上昇し、海に面した世界中のほとんどの主要都市は水没してしまいます。

「都合の悪い真実」とは、政治家がこれを認めてしまうと、今すぐに産業に対して劇的な措置を設けないと、手遅れになってしまうということです。しかも、地球に対して最も多く二酸化炭素を排出している国はアメリカなので、アメリカが最も大きく変わらなければならない、ということを唱えています。

この映画は、Gore氏がこの説を全米各都市のみならず世界中を講演して回ったものをまとめたものです。世界中の研究者が過去何十年もかけて取り続けたデータや写真で、地球の何万年の歴史を、わずか過去100年足らずで人類がその手でいかに劇的に変えてしまったがよくわかり、非常に説得力と危機感があります。

アメリカという国は自己中心的に動くことが多いですが、こういう映画が作られ、それが全米で大ヒットをしているところを見るとまだ健全なバランス感覚を失っていないと感心します。
これはいわゆる「いい映画」ではありません。「重要な映画」です。
日本でも年明けに公開されるらしいので、その際は、是非多くの人に観てほしいと思います。

この映画を観てから飛行機を下りて現実を見ると、空港では最近のテロ対策で一切の液体を機内に持ち込めないという規制がまた目に入ってきました。テロよりもはるかに大規模な脅威がそこまで来ているのに、エネルギーを使うベクトルが間違っていると恐ろしく滑稽に感じました。

最後に、バイクとのからみで言うと、バイクはクルマに比べれば文字通り「排気量」が少なく、渋滞による更なるCO2の排出を引き起こさないとは言うものの、全く地球にインパクトを与えていない訳ではないということも自覚して乗らなければならないと思います。

【最新情報】
日本公式サイトがオープンしました(2006/10/2)

この本(英文)をAmazon.co.jpで購入する

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2006年9月14日 (木)

飲酒運転問題に思う・・・日本は法治国家?

今日はちょっと堅い話しを。
最近、連日マスコミで飲酒運転の問題が取り上げられています。
飲酒運転や轢き逃げに対する罰則強化に異論を唱える人は少ないでしょう。

しかし、この議論で、ふと約25年前の大学時代の教授のある言葉を思い出しました。

「日本は、法治国家ではないから素晴らしい」

これは、オーストラリア育ちのイギリス人で日本人論の権威のグレゴリー・クラーク氏のお言葉。逆説的過ぎてすぐ意味がわからないかと思います。
その時の生徒も、自分を含めて皆ポカーンとしていましたが、その論旨は、このようなことだったと記憶しています:

日本は、伝統的には同じ価値観を共有する単一民族国家で、基本的に性善説で、法律や契約などでがんじがらめに人の行動を規定しないでも、それなりに人々の「和の精神」や「恥の文化」などの自己規律でうまくやってこられた

逆に、アメリカは価値観が多様な多民族国家で、性悪説だから何でも法律や契約で決めないと機能しない。
だから、アメリカは「法で治めなければならない」からだめで、日本は「法で治める」のでなく、「人が治める」から素晴らしい、と。

この話しは多分に歴史的な見解を含んでいるので、25年前の日本が完全にこうだったと言い切れるかは若干の疑問はあると思いますが、約25年たった今、日本人の美徳だった、「和」や「恥」などの自己規律はどこかへ行ってしまって、もはやこの議論は残念ながら全く通用しなくなったと言えるでしょう。

最近では、飲酒運転問題にしろ、いじめ問題にしろ、食品偽装にしろ、何か社会問題が起きると、すぐ「法整備を!」という発想を誰も疑問に思わない。もはや人々の自己規律に頼ることができなくなってしまった社会では、法律によるコントロールが必要なことは自分も否定はしません。
しかし、人々の反社会的行動を抑制するのが法律や罰則だけという社会は、文明のレベルとしては確実に衰退しています

「悪いことは悪いからやってはいけない」という教育や規範がまず先にあるべきであって、生命の大切さなどは忘れられて、「罰則があるからやってはいけない」という認識の方が支配的になってしまっては「犯罪を起こす心」までは減らすことはできず、どんどん新しい法規制を作り、処罰を厳しくしていく道しか残されていないことになります。

実際、「どうして人を殺してはいけないの?」と小学生に聞かれて答えに窮した教師が、「刑務所に入れられるからだよ。刑務所に入ったらお友達やお母さんと会えなくなるでしょ。」と答えたという話しを聞いたことがあります。教育の現場がこれでは絶望的です。ちょっと悪知恵のはたらく子供だったら、「だったら刑務所に入らないように人を殺せばいいんだな」と思うでしょう。

最近、ほとんど罪の意識もなく残虐な犯罪を平気で行う少年が増えているのも、結局誰からもしっかりと人間としての規範を教えられていないからではないでしょうか。飲酒運転も同じです。

「法治国家である必要のない日本」を取り戻すのは不可能でしょうが、生命の大切さを再認識し、少しでも人々のモラルや自己規律を取り戻すことは不可能ではないと思います。
それは、法律のようなトップダウンではなく、まず自分自身や家庭や学校や地域や職場などの小さい単位での草の根のボトムアップから意識改革を始めるしかないと思います。


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2006年9月12日 (火)

5万アクセス記念:さそりいのししキャラクター発表!

4月24日にこのブログを立ち上げて約5ヶ月、おかげさまで5万アクセス(ページビュー)を突破しました。ユニークアクセス(=訪問者数)は、約2万2千人です。
いつも見ていただいてありがとうございます。

このブログは、「さそりいのしし」というハンドルネームで書いています。
「亥年生まれの蠍座」という意味ですが、このブログをいつも見てくれている友人・知人やRASの受講生の方でも「プロフィール」までは見られないようで、いまだによく「意味は?」と聞かれます。

実はやってみればわかりますが、干支と星座を組み合わせても、語呂がよくて、しかもその組み合わせを視覚化した時にキャラクターとして成立する組み合わせはあまり多くないのです(ふたご座やおとめ座は楽ですが、てんびん座、みずがめ座なんかは絶望的です・・・いのししてんびん?みずがめいのしし?)。
また、自分的には、「さそり」の鋭く刺す(毒)と「いのしし」の猪突猛進は自分の性格とも合っているのでこのネームはとても気に入っています。

Nana
そこで、5万アクセスを記念して、「さそりいのしし」のキャラクターを作ろうと思いました。
制作は、BMW Boxer Journalの取材で知り合った、同じBMW F650GS(ダカール)オーナーで『某ゲーム会社』所属のビジュアルデザイナーのいださとしさんに依頼したところ、快く引き受けていただきました(左はいださんのイメージ画像)。

そして出来上がったのがこれ:
Sasori2a430x392_1

どうです?かわいいでしょ?
さすがにバイク乗りがデザインしただけあって、きちんと「バイク」というテーマも押さえてくれています。
このようなイラストをいださんに依頼されたい方は、上記のリンクまでどうぞ。

今後、このブログを始め、バイクやヘルメットにもこのキャラクターを貼っていこうと思っています。
もし、どこかでこの顔を見たら110番・・・じゃなくて、「ブログ見てますよ!」と声をかけてください。


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