毎年正月明けにラスベガスで開催されるCES (Consumer Electronics Show)に出張で行ってきました。12年前に某メーカーに勤めていた頃は毎年行っていたのですが、転職してからは5~6年ぶりです。
ラスベガスはエジプトのピラミッド、ニューヨークの摩天楼、ヴェネツィアの運河などをテーマにしたホテルが沢山ありますが、今回の宿泊先は、パリをテーマにしたParis Hotelで、ミニ凱旋門とミニエッフェル塔があります。

(カシオEX-TR100 (21ミリ相当) ISO250 F2.8 1/20)

(カシオEX-TR100 (21ミリ相当) ISO640 F2.8 1/20)
「ミニ」と言ってもこのエッフェル塔は実物の1/2の高さがあり、エレベーターで地上140メートルまで上がることができます。このエッフェル塔の脚は、その下のカシノの中まで突き抜けており、カシノ内でその鉄骨を見ることができるようになっています。
CESは日本のCEATECと似ていますが、CESにはほとんど一般客は訪れず、メーカーとバイヤーの商談の場、という色が強いです。そのため、未来の商品や参考出品は少なく、展示されている製品のほとんどが、発売済みのものか、せいぜい半年以内に発売されるものなので、それほど革新的なものはありません。
かつては日本の電機メーカーが競って最もいい場所で大きなブースを構えていましたが、近年は完全に韓国メーカーの方が勢いがあります。今回も、ソニーとSamsungとLGが最大のブースを構えていました。Samsungは薄型の液晶テレビが格好よく、店頭で見栄えがする絵作りがうまく、米国で最大のシェアというのも頷けます。参考出品されていたOLEDは非常にくっきりとしていて、ソニーのCrystal LEDよりも優れていると感じました。3Dに関しては業界がっかりムードの中、LGが唯一全面的に打ち出していました。LGの3Dはメガネが軽くてかけ心地がいいし、3Dの効果や視野角から言っても、最も実用的なのではないかと思います。
ソニーの4K(HDの4倍の解像度)のプロジェクターのデモを並んで見ましたが、全く感動がありませんでした。アメリカ人はこういう場でも声を出してリアクションをするものですが、私以外の来場者も4Kに映像が切り替わっても、全く無反応でした。中には、"So what?"(それがどうした?)と言っている人すらいました。プロジェクターとなると、ずっと見慣れている4Kと同等の映画館の画質と比べてしまうので、それほど画質がいいと感じないからだと思います。ソニーは4Kはカメラからプロダクションまであるのはいいのですが、肝心のディスプレイの部分で家庭用のフラットパネルがないのが痛い。この部分でシャープや東芝に遅れているのが、苦戦が続くソニーのテレビ事業の問題を象徴しているような気がします。
そんなソニーの中で、個人的に最も「欲しい」と思ったのが、このスマホとつながるBluetoothの「時計」。これ自体には通話機能はありませんが、スマホに着信したメールを見たり、電話帳を検索して発信したり、音楽プレーヤーのリモコンになったりします。でもやっぱりソニーのことだから、XPERIA専用です。
これと似た製品に、カシオのGB-6900も展示されていました。こちらも着信表示機能がありますが、面白いのは時計側からスマホを鳴らしたり、スマホと一定距離離れるとアラームが鳴るという、よく電話機を置き忘れるうっかり者には便利な機能があります。
3月に18,900円で発売予定ですが、対応するのは自社製のスマホだけで、他社製のAndroidにもiPhoneにも対応しない模様。ソニーはともかく、NECカシオのスマホのシェアを考えたら、こんな「メーカーの論理」で製品化するのではなく、積極的にすべてのスマホに対応すべきだと思うのですが・・・。詳しいレポート記事はこちら。

昨年、iPhoneとBlackberryをワイヤレス充電化した記事を書きましたが、その後iPhone4SもPowermat社の製品でワイヤレス化して愛用しています。左の写真は、今回の出張先のホテルで2台用の充電台で使っているところです。
今のiPhone4S用の製品で不満なのは、ブラックしかなくて無塗装で質感が安っぽいことなのですが、右写真の近日発売予定の新製品は、白もあって綺麗な光沢塗装がされています。
この新製品を見ながらBlackberryもiPhoneも愛用しているんだよ、とブースの人に見せていたら、それを後ろから聞いていたおじさんが握手を求めてきて、誰かと思ったらPowermat社のCEOでした。それから社長自らブースを案内してくれて、近々スタバなどに充電器が設置される予定だと話してくれて、今度はこちらが感激しました。日本のCEATECで社長が話しかけてくるなんてことはありえないですが、こんなことがあるのも、展示よりは商談がメインのCESならではです。
アメリカのホテルは間接照明が基本のため、電気スタンドや電話やクロックラジオでコンセントが一杯の場合が多いので、こちらはトラベラーにとっては非常に便利なEnergizer iSurgeという製品。電源コンセントに直接差し、3個口の電源タップとなると同時に、スマホの充電台となり、USBの電源供給端子も備えています。
左側の白い製品はiPhone専用ですが、右側の黒の製品は汎用スマホ用で、上部の溝にスマホを横置きするようになっていて、マイクロUSBコードの他にUSB端子が二つもあります(iPhone用は一個のみ)。
今回のCESで、おそらく最も多く見かけた製品は、iPhone用のケースで、100社以上あったと思います。中でも、これは非常に便利そうな、Body Gloveの、スタンド内蔵のiPhone用のケース。

カメラ関係で、個人的に文句なしに最も注目したのが、このFujiFilmのX-Pro1。APS-Cセンサーを備えたフジ初の本格的レンズ交換式デジタルカメラ。独自の技術でローパスフィルターを省いているので、モアレを防ぎながらノイズが少なく解像度が高く、35ミリフルサイズに迫る(フジは「超える」と言っています)画質を実現できるのではないかと思います。
古くからのカメラ好きを泣かせるのが、ボディ上面のシャッタースピードダイヤルとレンズ銅鏡の絞りリングという組み合わせに加えて、最初に用意される、27/53/91ミリ相当の3本の単焦点交換レンズ。50ミリが標準レンズで、「ズームは邪道」と言われていた時代は、3本レンズを揃えるなら、28/50/90ミリというのが定番でした。カメラは手に取った時に質感が非常によく、ファインダーの像の大きさと見え方が素晴らしかったです。発売予想価格はボディのみで15万円、標準レンズ付きで20万円程度とのことです。これが出たらライカのX1を売り飛ばして買おうかと真剣に考えています。
実はこのCESでキャノンがミラーレスを発表すると噂されていましたが、どうやらこのG1Xがキャノンのミラーレスに対する当面の答えのようです。1.5インチという、フォーサーズよりは大きく、APS-Cよりは小さいサイズのイメージセンサーと28-112ミリ相当のズームレンズを採用した、レンズ固定式の高級デジカメ。おそらく日本での実売価格は8万円前後なので、ミラーレスに標準ズームを付けっぱなしにするようなカジュアルユーザーにはアピールするとは思いますが、私には中途半端な割り切りのカメラと写りました。カメラをわかっている人には、この使い物にならないくらい小さいファインダーと、小さなレバーで操作するパワーズームは許せないと思います。
カメラアクセサリーでは、いつも愛用しているレンズクリーナー、Lenspenの新型。より小型でエルゴノミックなデザインになっており、キャップが回転式となったのためより確実にペン先にクリーニング成分を補充することができるという。右は大きめの液晶画面用のクリーナー。キャップをはずすとヒンジに付けられた真四角のワイパーのようなパッドが出てきて、非常に使い勝手がいいです。この両方を5ドル(約400円)というタダ同然の値段でブースで売ってくれました。





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