2018年6月13日 (水)

米朝会談は北朝鮮の思うつぼになった

米朝会談でどちらかが得をしたかと言えば間違いなく北朝鮮だ。元々北朝鮮は核を使うのは本気ではなく、国内の威信を保ち、他国に恐れられるのが目的のbluff(はったり)だったわけだから、譲歩しても実質的な損失はない。大した資源も技術も産業もない北朝鮮など核がなかったら誰も相手にしないから、核は大国と対等に渡り合うための道具だった。

むしろ、制裁で経済が逼迫している状態で、これまで国家プロジェクトとして掲げてきた核開発に金を使うことを威信を失わずに堂々とやめる口実を得られたと同時に、アメリカと対等に交渉して国のステータスを上げて自分の身分と国の安全を保障してくれたという成果を上げることができて一石二鳥三鳥だ。アメリカが対等に扱ってくれてその脅威がなくなって、あわよくば経済援助までしてもらえるならばもう核は要らない訳だ。これこそが、そもそも金正恩が核開発で狙っていたことなのではないのかとさえ思う。敵は一枚も二枚も上手だ。

トランプにとって唯一の成果は、「北朝鮮と友好関係を築けた」という印象を与えることくらいだ(関係が悪化した原因の半分はトランプにあることはさておき)。しかしその代償は大きい。世界で最も国民を弾圧している非人道的な独裁国家の元首を、「とても有能で、国民を愛している」などと持ち上げたのは、卑屈という他ない。これまでアメリカが一貫して追及してきた人権運動をすべて否定するような発言だ。

共同声明には、核軍縮の方法や日程や査察などの具体的な記載は一切なく、「いつかやるよ」という限りなく口約束に近い。だから、「やっぱり秘密裏に核開発を続けているのではないか」という疑心暗鬼は消えない。それがある限り、北朝鮮は常に交渉有利な状態を保てるから、すんなり全てを公開することはないだろう。

拉致問題に関しても一切記載はない。そんな程度の共同声明でも、「もし履行されなくても、責めるようなことはしたくない」などと記者会見で口走る始末。トランプは、一見馬鹿に見えるけれど、いくらなんでもそこまで馬鹿な人間が大統領になれるはずがない、実はしたたかなのではないかというかすかな希望があったけれど、やっぱりこの男は単細胞だった。

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2018年5月 1日 (火)

北海道新幹線は壮大な税金の無駄遣いだ

当初、JRの北海道新幹線事業は札幌まで延長される2030年までは、毎年50億円程度の赤字だとされていた、それが昨年度は103億円の赤字で、今年度も102億円の赤字の予定。乗車率は26%で、当初予定されていた20%より高いにも関わらず、だ。

それを述べた上であえて言おう。JRの北海道新幹線の赤字の金額など、大した問題ではないのだ。それはJRは建設費の1割程度しか負担していなくて、その裏には報道されない、はるかに巨額な「赤字」があるからだ。

鉄道は経済合理性がなければ存在意義がない。東京から北海道まで列車で行こうなどというのは、時間と金に余裕のある電車オタクか、何らかの理由で飛行機を利用できない人くらいしかない。唯一経済合理性があるのは仙台以北の東北と北海道を行き来する用のある人だけど、北海道と東北の人口を合わせても約1450万人で日本の人口の11.4%しかないから、そんな需要は限られている。

普通の人は、北海道新幹線はある程度の公的資金や貸し付けを受けてJRが建設したと思うだろうけれど、事実はその逆だ。北海道新幹線は、「整備新幹線」という枠組みで建設され、独立行政法人が新幹線施設を建設・保有し、営業主体であるJRに貸付けるスキームになっている。その建設費は、新青森・新函館北斗間で既に約5,800億円かかっている。それに対してJRがこの独立行政法人に支払う賃貸料は毎年たったの23億円だ。30年間でも690億円だから、建設費の約12%しか負担していないことになる(金利を考慮したら1割未満だ)。逆の言い方をすると、残りの9割は国と地方の税金で賄っている(国が2/3、地方が1/3)。

つまり、北海道新幹線の、飛行機と比べて決して安くない運賃の約9割は税金で補助されているのだ。別の言い方をすると、まともに建設費を運賃に反映させたら今の10倍の料金になるということだ。それでもJRは1年間で100億円以上の赤字を出しているというのだ。これ以上の経済合理性(需要)のなさの証明があるだろうか。

しかも、新函館北斗・札幌間の建設で新たに約1兆6,700億円の建設費がかかる。これまでかけた建設費の約3倍だ。同じくJRが負担する賃貸料が12%とすると、税金負担は約1兆5000億円になる。

騙されてはいけない。仮に札幌まで伸ばして乗車率が上がってJRが黒字になっても、建設費を考慮したら全く採算は取れない事業なのだ。

もちろん、税金を投入する理由として、観光や物産の「経済効果」があるだろう。これに関しては初年度約350億円、2年目以降は200億円程度と言われている。ということは、新函館北斗までの建設費5800億円からJRが負担する690億円と、これまでの経済効果550億円を差し引くと4,560億円だから、経済効果で投入した税金をオフセットするにはあと23年もかかる計算になる。札幌まで延長して仮に経済効果が300億円上乗せになったとしても、1.5兆円の税金と相殺するには50年かかる。つまり経済効果を考慮しても北海道新幹線の経済合理性は極めて乏しい

だから、これは北海道新幹線など利用する気もない人にとって、いやむしろ、そのような人こそ、自分の払った税金の使い途として関心を持つべきなのだ。だから、これはJRの100億円の赤字の問題ではなくて、北海道新幹線の建設にかける約2兆円の税金の問題なのだ。

誰のために?何のために?これだけの税金を他に使うべきことはあるのではないのか?結局、得するのは鉄道建設で利権がある企業と、天下り先の独立行政法人と、地元の人気取りができる政治家だ。なぜ野党やマスコミはこのことを問題視しないのか理解に苦しむ。

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2018年3月24日 (土)

ゴムのベタベタを簡単に取る方法

ゴムは滑り止めとして、カメラなどのグリップや、カバンの取手など様々なものに使われていますが、しばらく使っていないと、ベタベタになってしまうことがありますね。そうなると触るのも嫌だから使わなくなったり、下手すると捨ててしまっていませんか?

ところがこのベタベタを簡単確実に取る方法があります。
無水アルコール(エタノール)を「激落ちくん」(メラニンスポンジ)に染みこませて拭き取るだけです。無水アルコールは、濃度80%前後の消毒用アルコールと違って、純度99.5%のエタノールで、大きな薬局で売っています。500mlで1300円くらいでした。

Ethanol_and_gekiochi

一回拭いたくらいではなかなか落ちないので、ベタベタがなくなるまで何度も根気よくやる必要があり、段々スポンジがエタノールに負けてボロボロになりますが、安いものなので気にせずどんどん切り取って繰り返します。3センチ角くらいに切ると使いやすいかと思います。
これまで色々なものに試しましたが、成功率100%で特にゴムが劣化したということもありません。ぜひお試しください。

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2018年3月21日 (水)

行政は知的労働に対する正当な報酬を!

年金情報入力の委託問題に関して、SAY企画を責めることは簡単なのだけれど、もっと根が深いような気がする。「なぜこんないい加減な会社に委託したのか」と誰もが思うけれど、おそらくその理由は、賄賂や癒着ではなく、委託価格が低すぎること。つまり、予定価格が低すぎて、人手がないのにそんな価格では請け負えないとまともな会社はみんな逃げてしまったのではないかと。年金機構が同社の人員態勢に問題があると知りつつ業務委託を続けたのは、「他に業者が見つからなかった」と説明しているのが、その何よりの証拠だ。

総務省のサイバーセキュリティ課の人員募集で、「情報通信に関して高度な専門知識を有する」ことを要求しておきながら時給が牛丼屋のバイト代以下だったことが問題になったけれど、それと根っこは同じで、お役所が知的労働に対する正当な評価・報酬をしていないことが問題なのだ。本当に「高度な専門知識」を有している人間が、年収200万円以下で交通費も支給されない仕事をやるはずがないのに、平気でそんな求人を出すという感覚が狂っている。

これはあくまでも想像で、SAY企画を弁護するつまりは毛頭ないのだけれど、800人を雇うはずが百数十人しか雇わず、挙げ句の果てには中国に再委託したのは、不当に儲けようとしたというよりは、請け負った金額では日本では人員を確保できないし、そうしないと仕事も完了できず採算も合わなかったからではないかと。

マスコミも表面的な事実だけを捉えてお得意の吊るし上げと憂さ晴らしをするのではなく、是非足を使って「取材」をして、問題の本質を浮き彫りにしてほしい。委託価格はいくらだったのか、その仕事をやるためにはどれだけの人月が必要なのかというところまで掘り下げてその価格の妥当性を検証したら、例えば時給500円でしか採算が合わないとか、驚くべき結果が出るに違いない。もし日本の最低賃金ではできない金額で仕事を委託していたら、それは役所が仕事を海外に流出することを促進していることになる。

飲食業やブルーカラーは人手が集まらないと営業できないからどんどん時給は上がっているけれど、今の日本は人手不足なのに、これは行政に限らないけれど労働時間を簡単に定量化できない知的労働に対する報酬はデフレのままだという印象がある。

政府も企業に賃上げを要求するならば、行政が募集する仕事もちゃんとその仕事を遂行するためにどれだけ人月がかかるかを計算して、労働市場の状況を考慮して金額設定をすべきだ。自分たちは高い給料をもらっておきながら民間を安く使おうとするのは許しがたい。

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2018年3月19日 (月)

日本は小売業やサービス業の営業時間を短縮すべきだ

フランスで地元のパン屋が条例に反して休みなしに1週間続けて開業したとして罰金3000ユーロ(約39万円)の支払いを命じられたというニュースがあった。日本はこのことから学ぶべきことがあると思う。

昭和の時代はデパートは6時閉店で毎週決まった曜日に定休日があった。セブンイレブンだって、7時から11時までの営業が社名の由来だ(今の若い人は知らないだろう)。コンビニや量販店の台頭であらゆる業態で年中無休、長時間・24時間営業が当たり前になってしまったけれど、少し揺り戻すべき時期なのだと思う。

例えば我が家から徒歩5分以内にはファミマが3軒、セブンイレブンが4軒もある。これらが全部24時間営業する必要があるのだろうか?労働力とエネルギーの無駄遣いだといつも思っている。お店によっては深夜営業が採算に合わなくても、フランチャイズ規約で24時間営業を仕方なくやっている店も多いはず。それをやらないという選択権も与えるべきだ。

小売店や飲食店の営業時間を短くすれば、物流からメーカーまで、多くの産業への波及効果があって、エネルギー消費とCO2を削減し、労働力不足を解消し、待機児童問題も軽減し、働き方改革も実行しやすくなって多くの社会問題を一網打尽に解決できるはず。政府はなぜこれをやろうとしないのか理解に苦しむ。

年中無休・24時間営業の便利さに慣れきってしまうと定休日が増えたり営業時間が短くなることは当初不便に感じるかもしれないけれど、フランスのようにそういうもんだと割り切ってしまえば死にはしない。

今は通販やインターネットでできることもはるかに多いから、店が閉店していたら何も買えない、何もできないということはない。銀行や役所の営業時間の短さは逆に腹が立つけれど、民間もあれだけ休めれば腹も立たなくなるというものだ。

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2018年3月10日 (土)

森友問題を簡単な例え話にすると

たったの265文字で森友学園問題を例え話にしてみる:

銀行の頭取夫人がある地方の学校の名誉校長をしていた。

その学校が地方の支店に融資の申し込みをした。支店の融資課長と支店長は頭取から指示されたわけではないけれど、学校側はさかんに頭取夫人が名誉校長であることをアピールするので、支店は便宜を図った方がいいと判断し、有利な条件で融資を実行した。これがいわゆる忖度というやつだ。

ところが、その後学校のずさんな経営が原因で倒産し、融資が焦げ付いてしまった。これが不正融資ではないかと問題になると、本店は融資そのもの指示はしていなかったものの、頭取を守ろうとして様々な隠ぺい工作をしてしまった。

簡単に言うとこういうことだと思う。官邸や政府は有利な条件で土地を売却しろと指示した訳でもないし、ましてや賄賂を受け取ったわけでもないからそこに違法性はない。売却金額の妥当性には議論があるけれど、違法性があるとしたら売却のやりとりの事実に関して嘘や隠蔽工作があったことだ。

野党とマスコミは、隠蔽があったということは、売却価格に関して官邸や政府の指示があったからだろうという論理を展開しているが、そこには必ずしも因果関係はない。だから問題の本質は、地方の財務局で起きた忖度の事実を、財務省が隠そうとしたことなのだ。

そもそもこの問題が起きた原因を考えると、夫人が名誉校長を務めていたことだ。だから、もし安部総理に責任があるとすれば、あんな胡散臭い人間が経営する、教育勅語を子供に唱えさせるような時代錯誤の学校を夫人が公に支持し、広告塔になっていたことを容認していたことだ。

ファーストレディは、決して「私人」などではない。「内閣総理大臣夫人」という「肩書き」で活動していたわけだから。だから、この問題で一番責任があるのは、自分にすり寄ってくる詐欺師のような人間を見分ける目がなく、うまく祭り上げられて利用された安倍昭恵夫人だと自分は思っている。ついに自殺者まで出してしまったことに対して、彼女は責任を感じているのだろうか。

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2018年1月29日 (月)

いじめの責任は学校よりは加害者生徒と家庭にある

いじめ問題が起きると必ず学校や教師や教育委員会が批判されるのだけれど、一番責められるべきなのは、加害者である生徒とそれを育てた親ではないのか。

確かに学校内で起きたことだから学校には一定の管理責任はあるけれど、学校や教師は加害者ではない。学校は勉強を教える所であって、物事の善悪を教える第一義的な責任を負うのは親であり家庭だ。

いじめが一向になくならないのは、責任を全部学校に押し付けて、加害者に対する懲罰がなさすぎるからだと思う。自殺に追いやるほどのいじめをした生徒でも、涼しい顔をして進級・進学している。脅迫や暴力などの犯罪性のある悪質ないじめをやったら一発退学で学歴にキズが付いてその後の人生が狂ってしまうというくらいの自覚を植え付けなければいじめは減らないだろう。

「万引きは犯罪」「痴漢は犯罪」ならば
「いじめも犯罪」だと言い切る必要があるのではないだろうか。

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2018年1月21日 (日)

全く「大義」のない小室哲哉の不倫報道

芸能人や一般人の不倫と、政治家の不倫は違うと思う。政治家もちゃんと仕事をすればかまわないと言う人もいるけれど、自分はそうは思わない。

なぜならば、政治家というものは:
1)その人格と言動を信用した国民の投票によって選出される
→だからその信用に疑義があれば投票行動が変わる
2)国民の支払った税金で給料をもらっている
→だから国民は政治家のステークホルダーである
3)国や自治体や政党を代表する者であり、ロールモデルでなければならない
→だから一般人よりは高い倫理性が要求される

だから、国民は政治家の不正や非社会的行動を知る必要があり、メディアがそれを追求することには「大義」があるし、法律的にも公益があるから名誉毀損も免責される。

しかし芸能人は違う。上記3条件はあてはまらないから、小室哲哉の不倫が気に入らないならば彼の音楽を聴かなければいいだけの話しだ。今回の不倫問題は、あくまでも彼と妻の問題であり、我々に対する説明責任もないし詫びる必要もないし、ましてや責任を取って引退する必要もない。某女性議員たちの不倫疑惑とは話しが違うのだ。文春も、マスコミも、多くの国民もこの違いをわかっていないのではないかと思う。

このスクープは、興味本位に個人のプライバシーをあばいて本人と家族を傷つけ、有能な音楽家を引退に追い込んだだけで、全く大義がない。だけど文春にとっては大義などどうでもよくて、スクープを取れて雑誌が売れればそれでいい。小室氏は訴えないだろうけれど、不特定多数の人に事実を伝えることによって社会的評価を貶めたのだから、完全に名誉毀損の構成要件を満たしている。人の倫理観を問う前に、自分たちの倫理観はどうなんだと言いたい。

それにしても、今週末はテレビはどのチャンネルを回してもこの問題ばかり。海外でもパパラッチの写真を掲載する低俗タブロイド紙はあるけれど、日本のようにそれと同じ次元でメジャーなテレビ局がこんな興味本位なゴシップを大々的に延々と取り上げることはない。いかに日本のマスコミの品格がないかということだ。

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2017年12月30日 (土)

Smooth Jazzの名ラジオ局、CD101.9 New York

アメリカに住んでいた時にいつも聞いていたSmooth Jazz専門のFM局、CD101.9 New York。その選曲には定評があり、この局のコンピレーションCDが発売されているくらいです。Internet Radioで24時間無料ストリーミングしていることを発見しました(ストリーミングサイトはこちら)。パソコン作業の常時BGMになりそうです。

Cd1019

日本はラジオ局が少ないため総合編成でJ-Popからクラシックまでかかるから、時間によっては全く興味のない内容が放送されるけれど、アメリカは専門局が何十局もあるから音楽のジャンルを選ぶ感覚でラジオ局を選びます。しかも「ジャズ」なんていう大きなくくりではなくて、例えばこの局だったらジャズ・フュージョン系オンリーでスタンダートやビッグバンドはかかりません。だからお気に入りの局をみつけたら一日中かけていられます。

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2017年12月19日 (火)

メルカリを始めてみてわかったその儲かる仕組み

ヤフオクはもう15年以上前から利用していますが、遅ればせながらこの度メルカリを主として不要品の出品用に始めました。世の中には、ヤフオクとメルカリを比較して、手数料の比較やどっちが高く売れるかとかどっちが早く売れるとか書かれているものは多いので、そのようなサービス全般に関しては触れません。ここでは「ビジネスモデル」という視点で、メルカリの代金回収の仕組みが、いかにメルカリを儲けさせるからくりになっているかについて考察してみます。

ヤフオクとメルカリの代金支払と回収に関して最も異なるのは、ヤフオクは商品発送の前または直後にその都度代金を受け取れる方式であることに対して、メルカリは常に購入者と出品者の間に入る、いわゆるエスクロー方式かつ、代金プール方式だということです。メルカリは、この後者の代金プール方式の説明は前面に出していないので、実際に出品して売って「さあ代金を受け取ろう」という段階で「えっ?そういうことだったの?」と初めてわかる人がほとんどだと思います。

ヤフオクは購入者が直接出品者の口座に送金することもできるし、その場合は入金を確認してから発送するから完全な前払方式です。購入者がクレジットカードを利用したい場合はヤフオクが仲介する「かんたん決済」を利用するのですが、その場合は購入者がヤフオクに支払った段階で出品者に連絡が入り、その時点で発送してもその翌日か翌々日には自動的に代金が振り込まれます

それに対してメルカリでは、購入者は常にメルカリに対して支払いを行い、その代金は出品者にはなかなか支払われません。メルカリに支払った段階で、出品者に商品を発送するよう指示が行きます。出品者が商品を発送し、購入者が実際に商品を受け取って、出品者に対する「良い・普通・悪い」の評価を入力し、さらにはその評価を見た出品者が今度は購入者を同様に評価した段階でやっと「取引が終了」し、その段階で初めて売上が確定します。

しかし、実はこの段階ではまだ出品者は代金を受け取ることができません。メルカリでは、購入代金は自動的に出品者には振り込まれず、出品者はメルカリに対して「振込申請」という手続きを行うまでプールされるのです。しかも、その金額が1万円未満の場合は、210円の振込手数料が取られるのです。しかも、振込申請の締め切りは毎週月曜で振り込まれるのは金曜日なので、配送時間を考慮すると購入から最短でも7日、最長2週間もかかります。この、「できるだけ出品者にお金を渡さない」という仕組みがミソです。

メルカリでは1000円未満の出品が非常に多いです。例えば500円の商品を売った場合、10%の手数料を引いた手取額は450円です。この450円をすぐ欲しいと思ったら、210円の振込手数料を引かれるので、最終手取額は240円となり、そこからさらにかかった送料を引いたらほとんど手元には残らない計算になります。

だから、少額商品を売る度に手数料を支払って代金を受け取ることはナンセンスだから、出品者は販売金額が1万円を超えるまで、せっせと出品を繰り返すことになります。できるだけ早く1万円を売り上げようとすると、できるだけ早く売れる値段をつけるという「値下げ圧力」がかかるから、売れる商品が増えるわけです。そこから得られるメルカリの手数料収入も増えるだけでなく、その間、メルカリは無利子でそのプールされた代金を運用できるのです。

実はここにもう一つミソがあり、このプールされた金額は、メルカリで商品を購入する資金としても使えるのです。だから、210円の振込手数料は取られたくない、だけど少額商品が多いからなかなか1万円までいかない、という人は、「だったらメルカリで何かを買おう」、ということになって、それが「出品者を購入者に転換する」仕組みにもなっているわけです。世の中には、メルカリに出品しても一度も現金を受け取ることなく、出品と購入を繰り返している「メルカリ・ジャンキー」も多いようです。このようにプールされた代金を使って購入した場合、そこから再び10%の手数料を取れるわけですから、どんどんメルカリに現金が貯まっていきます。

実によく考えられた仕組みで、メルカリ躍進の秘密は実はこの代金プール方式にもあるとも言えるでしょう。

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